「たしかにこうした場面を初めて目撃したとき、どうしていいかわからず悩んでしまうママやパパは少なくありません。ですが、幼児期からのマスターベーションは男児にも女児にも珍しいことではなく、二次性徴期(子どもの体から大人の体に変わる、いわゆる思春期)以後の射精などを伴う発達段階とは別の行為です」
こう教えてくれたのは、性と生命の出張授業を行う誕生学協会代表理事の大葉ナナコさん。よくあることとはいうけれど、どうしてこういう行動をするの?
「女児も男児も、性器まわりが温められたり、包まれたりして程よい圧迫があったりすると、安心感を得ます。呼吸が荒くなっていたり、恍惚な表情をしたりしたとしても、大人同士の性行為を連想しているわけではありません。たまたま性器に手がふれた機会をきっかけに心地よさを体験し、自分で自分を落ち着かせるためにする行動といわれています」(大葉さん 以下同)
つまり、大人がリラックスをするためにマッサージをしたり、ストレッチをしたりするのと同じことなのだ。裏を返せば、性器いじりを頻繁にしているということは、子どもが不安状態にあるということかもしれない。やめさせるにはどう対応したらいいのだろう?
「まずは叱ったりせず、ほかに夢中になれるものを探してあげることです。抱きしめたりマッサージをしたり、親からの包み込むタッチで寝かせつけるなど、ほかの方法で安心感と心地よさを高めてあげることも効果的ですよ」
子どもが求めているのは性的欲求を満たすことではなく、包み込まれ、安心できる優しさ。たくさんハグをして、子どもが夢中になれることを提案してあげることで、性器いじりは次第に収まっていくそう。もし、こういう場面を目撃しても大きな愛で包んであげよう。
(パンチ広沢+ノオト)