幼児が「性器いじり」をするワケは?

幼児が「性器いじり」をするワケは?

第2回 幼児の性への関心にどう対応すべき?
子どもが性器いじりをしたり、性行為に似た行動を取ったりする…。人に相談しづらい内容だけに、そんな行動を目撃して「もしかして、うちの子は異常なの?」と不安に感じているママもいるのではないだろうか?

「たしかにこうした場面を初めて目撃したとき、どうしていいかわからず悩んでしまうママやパパは少なくありません。ですが、幼児期からのマスターベーションは男児にも女児にも珍しいことではなく、二次性徴期(子どもの体から大人の体に変わる、いわゆる思春期)以後の射精などを伴う発達段階とは別の行為です」

こう教えてくれたのは、性と生命の出張授業を行う誕生学協会代表理事の大葉ナナコさん。よくあることとはいうけれど、どうしてこういう行動をするの?

「女児も男児も、性器まわりが温められたり、包まれたりして程よい圧迫があったりすると、安心感を得ます。呼吸が荒くなっていたり、恍惚な表情をしたりしたとしても、大人同士の性行為を連想しているわけではありません。たまたま性器に手がふれた機会をきっかけに心地よさを体験し、自分で自分を落ち着かせるためにする行動といわれています」(大葉さん 以下同)

幼児が「性器いじり」をするワケは?

つまり、大人がリラックスをするためにマッサージをしたり、ストレッチをしたりするのと同じことなのだ。裏を返せば、性器いじりを頻繁にしているということは、子どもが不安状態にあるということかもしれない。やめさせるにはどう対応したらいいのだろう?

「まずは叱ったりせず、ほかに夢中になれるものを探してあげることです。抱きしめたりマッサージをしたり、親からの包み込むタッチで寝かせつけるなど、ほかの方法で安心感と心地よさを高めてあげることも効果的ですよ」

子どもが求めているのは性的欲求を満たすことではなく、包み込まれ、安心できる優しさ。たくさんハグをして、子どもが夢中になれることを提案してあげることで、性器いじりは次第に収まっていくそう。もし、こういう場面を目撃しても大きな愛で包んであげよう。
(パンチ広沢+ノオト)

お話をお聞きした人

大葉ナナコ
大葉 ナナコ
株式会社バースセンス研究所 代表取締役、ベビー&バースフレンドリー財団 代表理事
助産師や百貨店、メーカーの妊婦接遇など企業から医療界、家族や子ども支援の研修開発、講師育成に従事し、少子化対策と女性活用を推進する。開発した命の授業「誕生学®」は現代用言の基礎知識にも掲載。公益社団法人 誕生学協会を設立し、全国400名以上の母親を講師に育成。全国の小中学校で開講中。
助産師や百貨店、メーカーの妊婦接遇など企業から医療界、家族や子ども支援の研修開発、講師育成に従事し、少子化対策と女性活用を推進する。開発した命の授業「誕生学®」は現代用言の基礎知識にも掲載。公益社団法人 誕生学協会を設立し、全国400名以上の母親を講師に育成。全国の小中学校で開講中。