「赤ちゃんはどこから?」への答え方

「赤ちゃんはどこから?」への答え方

第3回 幼児の性への関心にどう対応すべき?
突然だが、もし子どもに「赤ちゃんはどうやって産まれてくるの?」と聞かれたら、どう答えているだろうか。なんとなく答えづらい内容だけに、うやむやにしてしまっているのでは?

「実は、5歳未満の子どもの80%が『赤ちゃんはどうやって生まれて来るの?』といった質問をするというデータがあります。子どもたちがこういった質問を投げかけてくるのは、夫婦生活が知りたいわけではなく、『生物学的に知りたい』『親が自分の誕生を喜んでくれたか確認したい』といった動機で聞いてくることがほとんどなのです」

こう教えてくれたのは、性と生命の出張授業を行っている誕生学協会の代表理事、大葉ナナコさん。実際に子どもに対してどう伝えるのがいいのだろう?

「最近は、子どもへの命や性の教育に関する絵本や大人向けの良著が多く出版されているので、まずはそういったものを読み聞かせてみてはいかがでしょうか。その際、”こうのとりが運んで来た”という作り話よりは、“お父さん卵のお部屋は~、お母さん卵のお部屋は~”と幼児にもわかりすい言葉で身体の仕組みを説明してあげましょう。伝え方はご家庭が大切にしたいことによって、それぞれ違っていいのです」(大葉さん 以下同)

「赤ちゃんはどこから?」への答え方

ここで大事なのは、一度話したから終わりではないということ。知りたがっている子どもには真正面から向き合い、何度も根気強く伝えていくことが大切だそう。

「親が恥ずかしがって『聞かないで!』と反応するのは、ご法度。興味を持ったことに対して子どもが知りたいと思うのは当然の反応です。絵本などを通じて、『将来のために大切なことだからね』と一つひとつ知識を積み重ねていきましょう」

大葉さんによれば、現在は小学校3~4年生の保健の授業で、男女のからだの違いや二次性徴期の変化について学ぶことになっているという。それまでは、自分なりの伝え方で幼児にでも理解できる絵本を参考にしながら性教育をしていくのがよさそうだ。

近年、性行為の低年齢化が叫ばれているが、こうした日々の積み重ねが子どもに正しい性の知識をつけことにつながる。まずは図書館や書店で絵本を探してみては?
(パンチ広沢+ノオト)

お話をお聞きした人

大葉ナナコ
大葉 ナナコ
株式会社バースセンス研究所 代表取締役、ベビー&バースフレンドリー財団 代表理事
助産師や百貨店、メーカーの妊婦接遇など企業から医療界、家族や子ども支援の研修開発、講師育成に従事し、少子化対策と女性活用を推進する。開発した命の授業「誕生学®」は現代用言の基礎知識にも掲載。公益社団法人 誕生学協会を設立し、全国400名以上の母親を講師に育成。全国の小中学校で開講中。
助産師や百貨店、メーカーの妊婦接遇など企業から医療界、家族や子ども支援の研修開発、講師育成に従事し、少子化対策と女性活用を推進する。開発した命の授業「誕生学®」は現代用言の基礎知識にも掲載。公益社団法人 誕生学協会を設立し、全国400名以上の母親を講師に育成。全国の小中学校で開講中。