子どものアレルギー、治す方法は?

子どものアレルギー、治す方法は?

第4回 アレルギーから子どもを守る
アレルギーの原因を遠ざけながら生活していくのは、親にとっても子どもにとっても何かと不自由なものです。できることなら子どもが小さいうちに治してあげたいものですが、そもそもアレルギーは治るものなのでしょうか? NTT東日本関東病院の小児科部長である渋谷紀子先生に伺ってみたところ「最近は色々な治療が注目されつつあります」とのお答えが。

「これまで食物アレルギーだと診断された場合、原因となる食べ物を除去するだけだったのですが、最近は『減感作療法』という治療法も一部の医療機関で行われ、取り入れられつつあります。これは、アレルギーの原因となる食品への耐性をつけるため、その食品を少しずつ食べさせるという治療法です。喘息や花粉症では以前から定期的に少しずつ抗原を注射する減感作療法が行われていました。最近になって、スギ花粉症で抗原を口に含んで取り入れていくという治療法が子どもにも認められるようになりました。ただ、減感作療法はリスクも伴うので、必ず医師の指導を必要とします。一歩間違えると強い症状が出てしまう危険もありますので、慎重に行わなければなりません」(渋谷先生、以下同)

子どものアレルギー、治す方法は?

アレルギーへの対処法は?

残念ながら現時点では根本的な治療法は確立されていないとのこと。やはりアレルギーとは一生付き合っていかなくてはいけないのでしょうか?

「遺伝的な体質などが関わってくるので、症状を抑えられても完治しないケースも多いです。よくプロバイオティクスが入ったヨーグルトを食べたり、体質改善でアレルギーが治るといったこともいわれますが実証されているわけではありません。食物アレルギーについて気をつけられることがあるとすれば、添加物を多く含んだ食品はアレルギーの引き金になる場合があるのであまり摂りすぎない方がいいですね。アトピー性皮膚炎の場合、治ったように見えても季節によって悪化することがあります。最近ではアトピー性皮膚炎の原因遺伝子の研究が進み、生まれつき皮膚のバリア機能が弱い体質であるとされています。ただ、赤ちゃんの頃のアトピー性皮膚炎は比較的治り
やすいと考えられています。デリケートな赤ちゃんの肌の保湿やスキンケアをしっかりすることが大切です」

赤ちゃんの頃に発症するアレルギーは成長とともに改善されることが多く、あまり深刻にならない方がいいとのこと。とはいえ、「もしかしたらアレルギーかも?」と思ったら医師に相談し、早めに対策をしてあげるに越したことはなさそうです。
(文・末吉陽子/やじろべえ)

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小児科
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