多いのは「生活音」にまつわるトラブル
「問題になることが多いトラブルとしては、子どもの足音や声などの生活騒音にまつわるものをあげることができます。子どもを育てていくなかで起きやすく、また揉めやすいトラブルのひとつだと思います。実際に、マンションの子どもの足音がうるさいから防音マットを敷いてほしいとの要請に対して、上の階の住民が応じなかったため裁判になってしまったというケースもあります。上の階の親も下の階の人が困るほどに迷惑を掛けているということに気づいていないケースが多いですね。また、最近は、『道路族』と呼ばれる、公共のスペースに居座って通行の邪魔をしてしまう子どもたちも問題になっています。親も一緒にそのような行動をとると、道路交通法違反にあたるケースも考えられます。あまりに状態がひどいと罰金に処せられる可能性もありますので注意が必要です」(畠山さん、以下同)
日頃から子どもの行動をしっかりチェック
とくに、子どもが絡むと親同士でヒートアップしてしまうことも多いそう。そうしたトラブルの当事者にならないためにも、日頃からご近所とのコミュニケーションはしっかりとっておいた方がいいと畠山さんは言います。
「日頃から付き合いがあれば、『うちの子が何か迷惑を掛けていませんか?』ということも気軽に聞けるのですが、交流がないと突然裁判になってしまったり、大ごとになりかねません。子どもを発端とするトラブルだとしても、親の監督の問題になることが多いので、子どもの振る舞いが他人にどのような影響を与えているのか、日頃から客観的に把握しておくことが必要なのではないでしょうか」
ご近所間でトラブルが起きてしまうと、今後の暮らしを左右されてしまいます。事が重大になる前に、常日頃から子どものふるまいには注意しておきたいものです。
(文・末吉陽子/やじろべえ)
【取材協力】
弁護士・畠山慎市さん
民事、家事、刑事など幅広い分野の事件を扱う。現在は、駒澤大学大学院法曹養成研究科(法科大学院)で、非常勤講師として後進の指導にもあたっている。共編著に「ガイドブック民事保全の実務」。東京弁護士会所属。
民事、家事、刑事など幅広い分野の事件を扱う。現在は、駒澤大学大学院法曹養成研究科(法科大学院)で、非常勤講師として後進の指導にもあたっている。共編著に「ガイドブック民事保全の実務」。東京弁護士会所属。