子どものトラブルはこうして解決

子どものトラブルはこうして解決

第3回 子が原因のご近所トラブル 正しい解決法は?
子どもによって起きてしまったトラブル。個人間で解決できればいいのですが、話がこじれて裁判に発展してしまうこともあります。問題が大きくなってしまう前に解決するにはどうしたらいいのでしょうか。弁護士の畠山慎市さんによると、「信頼できる第三者に早めに相談することが一番」なのだそう。

事態が大きくなる前に第三者へ相談を

「子どもがトラブルを起こしてしまった場合、親同士で直接話し合いをすると、うまくいかないケースもあるようです。賃貸物件やマンションでのトラブルの場合は、大家さんや管理会社、管理組合などに間に入ってもらって解決方法を考えることもできますが、戸建ての場合はそうはいきません。周りに相談できる人がいない場合には、法律に基づく対応を取るべきなのかどうかという点もそうですし、そこまでではないにしても相手にその状況を改善してもらうためにどのような対応を取るべきなのか、弁護士などに気軽に相談してみるのもよいと思います。事が大きくなってしまってから相談に来られる方も多いのですが、そうなる前に困ったことがあったら、まずは信頼できる第三者に話を聞いてもらい、アドバイスや意見をもらうことがスムーズな解決を図るための第一歩だと思います」(畠山さん 以下同)

子どものトラブルはこうして解決

問題の大小を自分で判断せずに、気になることがあったら早めに相談する方がいいようです。とはいえ弁護士に交渉をお願いしたりすると、これからの近所づきあいに支障が出てしまいそう…。

「これからも同じ場所に住み続ける以上、慎重に対応した方がいいケースもありますね。いきなり弁護士が出ていくのではなく、例えば、近所の方から何か迷惑を掛けられているのであれば、どのような行動を取ればいいのか、ケースにあわせてアドバイスをさせていただき、その対応をご自身でしていただくという方法をとることもできます。弁護士が相手に連絡をすると角が立ってしまうようなケースでは、相手へ送る文書についてのアドバイスにとどめるなど、ケースに応じて対処の仕方は色々と考えられます」

家族の暮らしを守るためにも自分たちで解決しようとせず、ときには第三者に相談し解決の糸口を探ることも必要かもしれません。
(文・末吉陽子/やじろべえ)

【取材協力】

弁護士・畠山慎市さん
古屋法律事務所
民事、家事、刑事など幅広い分野の事件を扱う。現在は、駒澤大学大学院法曹養成研究科(法科大学院)で、非常勤講師として後進の指導にもあたっている。共編著に「ガイドブック民事保全の実務」。東京弁護士会所属。
民事、家事、刑事など幅広い分野の事件を扱う。現在は、駒澤大学大学院法曹養成研究科(法科大学院)で、非常勤講師として後進の指導にもあたっている。共編著に「ガイドブック民事保全の実務」。東京弁護士会所属。