ビジネスマンこそ腹筋ストレッチが有効!?
パソコンに向かうデスクワークや、スマホの画面を長時間覗き込むなど、現代のビジネスマンの生活は、前かがみの姿勢をとることが多い。その結果、背中が丸くなり猫背の姿勢になりやすい。
「猫背や円背といって、背中が丸まってしまっている人は、腹筋群が収縮して硬くなり血流が悪くなっています。このような人は、トレーニング前後に腹筋のストレッチをして血流を促してあげることはとても効果的です。」(寺田さん。以下同)
腹筋ストレッチのメリット
「ストレッチとは、筋肉を弛緩させ伸ばして柔らかくすることをいいます。一方、トレーニングとは筋肉を収縮・弛緩させて、強く硬くしていくことです。」
引き締まった下腹部を早く手に入れたいがために、腹筋を硬くする激しいトレーニングだけを繰り返すことは実は非効率的。時に、猫背を助長したり、腰痛の原因となることも。
そこで、トレーニング前にストレッチを取り入れると、筋肉の柔軟性が向上し、可動域が広がることでより筋トレの効果が高まる。また、トレーニング後のストレッチは、短縮したままの筋肉を意識的に伸ばすことでクールダウンし、筋肉痛の緩和や腰痛予防にも効果を発揮する。さらに、筋を伸ばすことで猫背など姿勢の矯正にもなるという。
そして何より、筋トレに比べて負荷も少なく短時間でできるストレッチは、取り組みやすい。筋トレの前後だけでなく、長時間のデスクワークで腹筋が硬くなったなと感じた場合にも気軽に取り入れてみよう。
「ただし、『反り腰』など伸長位で固まっている筋にはストレッチは逆効果になることもあります。」と指摘する寺田さん。ストレッチを取り入れる前に、まずは自分の体の状態をよく見極めることも大切だ。
今日から始める!カンタン腹筋ストレッチ3選
腹筋のトレーニング効果を高めるためにも、ピンと伸びた美しい姿勢でスーツを着こなすためにもぜひ取り入れたい腹筋ストレッチ。ここでは、初心者でもカンタンに取り組めて、効果の高いストレッチ方法を動画でご紹介しよう。トレーニングと違いストレッチなので、痛くない程度にリラックスしながら、1回あたり30秒程度の短時間で行ってほしい。
腹筋全体に効くストレッチ
まずは、ぶらさがるだけの簡単なストレッチ「エロンゲーション」をご紹介する。「エロンゲーション」とは、伸び・伸張を意味する。背骨を伸ばして、腹筋全体をひきのばすことで、痛みが出にくい体づくりができる。
エロンゲーションの行い方とポイント
<エロンゲーションの行い方>
1、両手でバーを握る
2、足をあげて体全体でぶらさがる
3、 重力で体が伸びている感覚を感じる
(2,30秒維持する)
<ストレッチ時のポイント>
・必ず両手でバーを握る
・背骨や腹筋が伸びていることを意識して
・腕や肩に痛みがある場合は、故障の原因となるのでやめる
<使用器具>
・懸垂マシン
腹直筋に効くストレッチ
続いては、腹直筋のストレッチとして効果的な「ブリッジ」。腹直筋は、鍛えるとボコボコ割れる腹部の前面を覆っている筋肉だ。シットアップなど一般的な腹筋の筋トレでよく使う部位なので、しっかりストレッチでケアしたい。
ブリッジの行い方とポイント
<ブリッジの行い方>
1、寝転がり膝をたてる
2、両手を頭の横に(耳の位置あたり)置く
3、おしりを上にあげる
(2,30秒維持する)
<ストレッチ時のポイント>
・腹筋が伸び、背中の筋肉が収縮していることを意識する
・おしりをあげている時、足ではなく両手に体重をのせてキープする
<使用器具>
・特になし
腹斜筋に効くストレッチ
脇腹のあたりにある腹斜筋は、くびれを作るために必要な筋肉だ。魅力的な腹筋づくりには欠かせない。そこで、道具を使わずに簡単にどこでも取り組める腹斜筋のストレッチ方法をご紹介しよう。
腹斜筋のストレッチの行い方とポイント
<腹斜筋ストレッチの行い方>
1、伸ばしたい方の足を前に出し卍型に足を組む
2、両手をクロスして胸にあてる
3、前に出した足先の方向にゆっくりと倒れる
4、息を吐きながら深く倒す
(足の向きを入れ替えて1−4を繰り返す)
<ストレッチ時のポイント>
・骨盤帯が前を向いている状態が正しいポジション
・息を吸うときには腹斜筋が伸びていることを感じ、吐き出す時にゆっくりと動かす
・呼吸を常に意識しながら、ゆっくりとした動作で取り組む
<使用器具>
・特になし
筋トレと組み合わせてぽっこりお腹を解消しよう!
ストレッチ自体は、腹筋を強く鍛えるものではないが、トレーニングの前後に取り入れることで筋力アップに効果的であることがおわかりいただけたのではないだろうか。また、日頃の疲れをリセットしたり腰痛や猫背防止にも役立つので、激しい腹筋トレーニングに抵抗のある人にも、オススメだ。
ストレッチを組み合わせることでトレーニングの効果を高めて、この夏までに引き締まった腹部を手に入れよう。
Text by Saki Ebisu