「ねぇ、アキ。私ね、今付き合ってる人がいるんだけど、その人、結婚してるんだ」
久しぶりにカフェで会った親友のサオリから、そう告げられた時、私は自分の耳を疑いました。アキ、30歳。学生時代からの親友で、昔からいつもそばにいてくれた、私にとってかけがえのない存在です。サオリも同じく30歳。互いに独身で、まさかそんな話を聞くなんて思ってもいませんでした。
「え…どういうこと?」
問いかけると、サオリは少し俯いて、ポツポツと話し始めました。その相手とは、もう5年ほど関係が続いていること。既婚者だとは知っていたけれど、最初はそこまで深く考えることなく関係を持ってしまったこと。そして、最近になって、このままではいけないと思うようになった、と。
「こんな関係、もうやめたいんだ。でも、なかなか踏ん切りがつかなくて…」
サオリの瞳は潤んでいて、心から悩んでいるように見えました。私は、親友の苦しみを前に、彼女を責める気にはなれませんでした。むしろ、こんな辛い状況を一人で抱え込んでいたのか、と胸が痛みました。
「サオリ、一人で悩まないで。私にできることなら何でも相談して」
私はそう言って、彼女の手を握りました。サオリは「ありがとう、アキ」と、少しだけ安心したような顔をしました。
親友のツラい告白
ある日、親友のサオリが不倫していると聞かされたアキ。動揺しつつも、本気で悩み、苦しんでいるサオリに同情します。
「新しい出会いがなく、ふん切りがつかない」ともらすサオリ。そこでアキは、マッチングアプリでの新しい出会いを提案します。
親友のために!全力でサポートする日々
サオリが「結婚相談所に登録して、抜け出したい」と決意してから、私は全力で彼女の相談に乗る日々を送っていました。マッチングアプリの登録を手伝ったり、メッセージのやり取りについてアドバイスをしたり。まるで自分に彼氏ができたかのように、嬉しくて仕方ありませんでした。
「この人、素敵な人だね!」
「デートの約束したよ!」
サオリからの報告に、私は「やったね!」と自分のことのように喜びました。しかし、その喜びは、長くは続きませんでした。
初めてのマッチングから数週間後、サオリから連絡が来ました。
「あのさ、アキ。この前の人、やっぱり断ろうかな…」
「え、どうして?すごく良い人だって言ってたじゃない」
私の問いかけに、サオリは次々と理由を並べ始めました。
「なんかさ、メッセージの文章がちょっと癖があって…」
「写真よりも実物の雰囲気が違ったかも…」
「話してみたら、なんかちょっと違和感があって…」
一つ一つは些細なことかもしれません。しかし、サオリは、マッチングしてデートにまで進んだ相手に、何かと理由をつけては、お断りするばかりでした。
「サオリ、せっかく新しい出会いがあったのに…」
「もう少し、話してみたらどうかな?」
私がそう言っても、彼女は
「でも、なんか違うんだよね」
と、聞く耳を持とうとしません。
最初は、新しい出会いを探すため、前向きに行動していたサオリ。ですが、いつしか消極的な態度を示すように…。本当に合わないのであれば仕方ありませんが、何度もことわる様子から、新しい相手を積極的に探しているようには感じられません。
アキは、少しずつ不信感を抱き始めます…。

