国際サッカー連盟(FIFA)は6日(日本時間7日)、米国、カナダ、メキシコが共催するW杯2026年大会の試合日程詳細を発表した。日本は1次リーグF組の3試合を米テキサス州ダラスとメキシコ・モンテレイで戦うことが決まった。
第1戦のオランダ戦と欧州プレーオフB組の勝者(ウクライナ、スウェーデン、ポーランド、アルバニアのいずれか)と戦う1次リーグ第3戦の2試合をダラスで、第2戦のチュニジア戦をモンテレイで戦う。
第1戦と第3戦を同じ会場で戦えることは大きなメリットだが、そのピッチ状態は1戦目と3戦目で全く別物になっている可能性がある。
NFLカウボーイズの本拠地
ダラスの会場は米プロフットボールNFL・カウボーイズの本拠地、AT&Tスタジアムで開閉式の屋根を備えている。公式スポンサー以外の企業広告を排除するFIFAの「クリーンスタジアム」規定により、大会期間中はダラス・スタジアムの名称が使われる。
世界で最も市場価値が高いプロスポーツチームであるカウボーイズの本拠地とあり、大会最大級の収容人数9万4,000人を誇る。世界有数のスタジアムだが、普段は人工芝のため、サッカー開催時のピッチ状態には懸念がある。
コパでペルーの選手が大けが
2024年に開催されたコパ・アメリカでは人工芝の上に天然芝を敷き詰める方式がとられたが、これが最悪だった。通常の天然芝ピッチよりも表面が硬いものになっている。実際にダラスで行われた試合でペルーのアドビンクラがアキレス腱を痛める大けがを負うなど評判が悪かった。
25年に行われたクラブW杯ではAT&Tスタジアムは使用されなかったが、同じ人工芝で屋根付きのアトランタ・ファルコンズの本拠地メルセデス・ベンツ・スタジアムなどの急造天然芝ピッチが選手から不評を買っていた。
日本が留守の間に2試合
6月14日の日本-オランダが今大会のダラスで行われる第1戦だが、日本が欧州プレーオフB組の勝者(ウクライナ、スウェーデン、ポーランド、アルバニアのいずれか)と戦う同25日までに2試合が行われる。
しかも22日に行われるJ組のアルゼンチンーオーストリアから中2日で一時的に敷設された天然芝のシートがかなり傷んでいることが予想される。
AT&Tスタジアムの屋根は中央部にある2枚のパネルが左右に動くことで開く構造になっているが、天然芝を育てることを前提としていないため、開口部分は大きくない。試合のない日に屋根を開けて日光を入れようにも日陰となる部分が多く、ダラスの酷暑も重なり天然芝の育成に適した環境とはいいがたい。
仮設の天然芝はスタジアムとは別のところで育てられるため、コパ・アメリカでは大会中に芝をそっくり張り替えるという措置も取られた。森保ジャパンも第1戦と第3戦で同じ会場ではあっても、文字通り別物のピッチでの戦いを強いられるかもしれない。

