日本プロ野球機構(NPB)は12月9日、出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化する第4回「現役ドラフト」を非公開で開催。12球団から指名を受けた12選手の移籍先を発表した。しかしそのうちの3組が実質トレード状態となり、ファンから不満の声が上がっている。
日本プロ野球選手会の強い要望で2022年から始まった現役ドラフト。今季からは、より活性化するために一部規定を変更。2巡目は自球団の支配下選手の移籍を促す目的とした参加も可能にし、門戸を広げた。
しかし、実際に発表されると2巡目での指名はゼロに終わった。1巡目でも、巨人が日本ハムの松浦慶斗投手、日本ハムは巨人の菊地大稀投手を獲得。また、DeNAは中日の濱将乃介外野手、中日はDeNAの知野直人内野手、西武がオリックスの茶野篤政外野手、オリックスは西武の平沼翔太外野手を指名した。まさかの3組が“交換トレード”となり、Xには「半分の球団がトレード」「トレード強制実行の場と化している」「もっとトレードすればいいんだよ」「中日横浜間、現役ドラフトという名の交換トレード」「ジャイアンツと日ハムである意味トレードしている」「現役ドラフトじゃなくてトレード」「正直ガッカリ」と不快感をあらわにする人が続出。注目された2巡目も実施されず、「対象外の条件を改善するのが早いんじゃないかな?」「あれだけ活性化とか言ってたんだから、2巡目やりましょうよ」「やるって決定事項やなかったの?」といったコメントが集まった。
一方、移籍が決まった選手に対しては「松浦がいなくなるとは。貴重な左投手」「はましょうが行っちゃったか」「井上がとうとう放出か… ロッテさん、大成させて下さい」「菊地くん2軍で塩漬けだったから日ハムでフル回転してほしい!」と複雑な心境をのぞかせるファンが多くいた。
現役ドラフトは、第1回で細川成也外野手(DeNAから中日)、大竹耕太郎投手(ソフトバンクから阪神)、第2回で水谷瞬外野手(ソフトバンクから日本ハム)、佐々木千隼投手(ロッテからDeNA)などが移籍。第3回でも田中瑛斗(日本ハムから巨人)、畠世周(巨人から阪神)らが新天地で開花した。
第4回現役ドラフト結果
1巡目
巨人 松浦慶斗投手(日本ハム)
ヤクルト 大道温貴投手(広島)
DeNA 濱将乃介外野手(中日)
中日 知野直人内野手(DeNA)
阪神 濱田太貴外野手(ヤクルト)
広島 辰見鴻之介内野手(楽天)
日本ハム 菊地大稀投手(巨人)
楽天 佐藤直樹外野手(ソフトバンク)
西武 茶野篤政外野手(オリックス)
ロッテ 井上広大外野手(阪神)
オリックス 平沼 翔太外野手(西武)
ソフトバンク 中村稔弥投手(ロッテ)
2巡目
実施なし
※カッコ内は前球団

