女優の福本莉子となにわ男子・高橋恭平がダブル主演を務める連続ドラマW-30「ストロボ・エッジ Season2」(WOWOW)が、2026年1月9日からスタートする。咲坂伊緒さんによる大ヒット漫画「ストロボ・エッジ」(集英社マーガレットコミックス刊)が原作の連続ドラマは、まっすぐで切ない初恋を丁寧に描き、物語はSeason1・2の二部構成になっている。魅力的なキャラクターが数多く出演する本作で、視聴者の注目を集めているのが、木下仁菜子(福本)の親友、上原さゆりを演じている小坂菜緒(日向坂46)だ。
さゆりは、仁菜子の初恋を温かく支えながら、自身も同級生の是永大樹(中沢元紀)へ一途な想いを抱く。日向坂46のメンバーとして活動し、中学時代から多忙な日々を送っていた小坂は、本作の撮影を通じて少し遅れた“青春”を体験したという。
――演じるさゆりの人物像について、どのように感じていらっしゃいますか
「さゆりちゃんは仁菜子ちゃんの恋も応援しつつ、自分の恋もがんばろうと、真剣に恋愛と向き合っている子。心優しい子でもあるけど、言う時はちゃんと正面から伝えたり、本当に仁菜子ちゃんの幸せを願っていたりとか、自分が恋愛をしていく上で相手に気を使わせないようにする気遣いができる子だなという印象でした」
――ご自身と似ているところは?
「私も、さゆりちゃんみたいに、何かと相談されやすいところがあります。学生時代も同級生や後輩とかから、恋愛面だけじゃなく、いろいろな相談を受けることが多かったので、言いやすかったり話を聞いてくれそうって思われたりしたのかも。私も話を聞くのは好きなタイプだったので、そういうところはさゆりちゃんと似ているなと思っていました」
――大人の世代にも刺さるラブストーリーということで、意識されたポイントはありますか?
「原作の世界観をしっかりドラマに落とし込んでいて、原作漫画にあるセリフやシーンがそのまま映像化されているところが一つのポイントです。リアルタイムで原作を読んでいた世代の方が、今30代くらいになっていると思うので、その方たちにも自分が学生時代に読んでいた頃の記憶を、この映像を観て思い出してもらえる作品になっていると思います。懐かしいとか、自分もこうだったとか、そういう感情になってほしいなと考えていたので、私がさゆりちゃんを演じて仁菜子ちゃんと関わる上で、その当時の雰囲気とかを形にできないかなと考えていました」
――さゆりは、自身の恋愛もありながら仁菜子を応援しようとしますね
「さゆりちゃんは、大樹が仁菜子ちゃんに想いを寄せていることを知っているし、蓮くんのことが好きな仁菜子のことも応援したい。でも、大樹が好きという自分の気持ちを押し殺したくないというさゆりちゃんの感情を、ちょっとした違いで表現できるように意識しました。大樹に気持ちを伝えるときは、ちゃんと『好きだよ』と伝える意思を持っていることがわかるような表情をするとか、そういうところを結構意識していました」
――さゆりの好きな部分は?
「誰にでも寄り添おうとするさゆりちゃんの姿勢が好きです。仁菜子ちゃんと蓮くんの恋愛がうまくいくように応援はしているけど、フラれた後に『本当にそのまま友達でいられるの?』と真剣に向き合うところや、仁菜子ちゃんが『(友達で)いられる』と答えたら、『応援するよ!』と、全てを肯定してくれるその姿勢がさゆりちゃんのかっこいいところだなと思うし、個人的にすごく憧れるポイントでもありました」
――撮影を通して青春は体験できましたか?
「私は、中学3年の時からアイドル活動をスタートして、高校生時代が日向坂のデビューとほぼ同じ時期だったんです。なかなか学校の行事に参加できなかったりしたこともありましたし、いわゆる“青春”みたいな経験を過ごしたことがないままこの年になってしまったので、ちょっと遅れた青春というか学生生活を、この撮影期間に楽しませていただきました(笑)」
――何が楽しかったですか?
「友達とお昼休みに購買に行ってパンやジュースを買って廊下を歩いてるだけのシーンや、放課後に『どこ行く?』『カラオケ行こう!』とか、他愛もない話をしてるシーンだったりとかですね。あと、体育祭とか何気ない日常とかをこの作品で感じることができたので、当時、高校生活を送っていたらこんな感じだったのかなと想像しながら撮影していました。制服が大丈夫かなと思ったんですけど、逆にこの年齢になって制服を着るからこそ一周回って新鮮味があるなと、楽しみながら着させていただきました」
――青春時代にできなかったこととか、やり残したことはありますか
「もし、学生時代に戻ることができるなら、文化祭を経験してみたかったですね。今回は体育祭のシーンはありましたが、文化祭のシーンがなかったので残念です。クラスの出し物とかをみんなで協力してやったら楽しかっただろうな。現場で、『学食で何食べていた?』とか、学生時代の思い出話がちょこちょこ出ていて、私は学食を食べた経験がないので、『学食でカレーを食べたかったな』と思いながら話を聞いてました(笑)」
――小坂さんを含めて大阪出身の方が多いですが、現場はどんな雰囲気でしたか
「めちゃくちゃ多いんですよ! なので、控室とかちょっとしたシーンの休憩中に関西弁が飛び交っていました。特に主演のお二人は関西弁で話しているところを結構見かけたので、個人的にはアットホームな雰囲気を感じていました。聞き慣れている言語が飛び交っていたので、私もたまに関西弁が出ちゃったことはありましたね。そんな中で、山下さんがイントネーションに悩んでいらして、裏で『すごく沼っているなぁ』と思って見ていました」
――ロケ地の印象的な風景は?
「個人的に海が好きなので、海の雰囲気を感じながら撮影したシーンは印象に残っています。外で海の音を聞きながら撮影すると、ちょっとしんみりすることもありましたし…。暑い時期だったのですが制服は冬服だったので、いかに熱を逃がすかという対策をしていました。日焼け対策もしていましたし、海風が強かったので、そこの対策はみんながんばっていました」
――登場人物の中で小坂さんが応援をするとしたら、どのキャラクターに声をかけてあげたいですか。
「それぞれのキャラクターに良さがあって、本当にキャラクターが立っているので悩みますが…。私がもしこの世界に入っていたとしたら、大樹を応援したいですね。最初は仁菜子ちゃんのことが好きな大樹ですが、どんどんさゆりちゃんのアプローチに気持ちを動かされていく。でも、家庭が複雑だったりするから前に進めない気持ちもある。だから、大樹の背中をぐっと押してあげたくなりますね。私が同じクラスメイトだったとしたら、大樹の恋を応援したいです。『仁菜子ちゃんに向けて頑張って!』と、後押ししたいですね」
――さゆりちゃんの気持ちを考えると切ないですね
「そうですよね…。さゆりちゃんは、表に感情を出すタイプではないので、心の揺れ動く様子がセリフの中で出ています。仁菜子ちゃんのことを心配するけど、仁菜子ちゃんが『大丈夫!』と言ったら、じゃあ『私はそれを応援するよ』と、気持ちを切り替えたり、仁菜子ちゃんと大樹がくっついてくれればいいのになと思ったり。でも、自分も大樹のことが好きだから、振り向いてほしいみたいな気持ちもある。表には見えない感情がすごく隠れていると思うので、そういうところを私も表情や言葉のニュアンスとか動きとかで表現できるようにお芝居をしたので、そこはちょっと注目してもらって、さゆりちゃんの心の機微を読み取っていただけたらなと思います」
――Season1と2とで、さゆりの違いはありますか?
「さゆりちゃんの恋の動きは大きく変わってくるので、そこは見比べてほしいです。Season2は、さゆりちゃんの過去のある出来事も明らかになって、ただ恋をしているだけではないという部分が見えてくるので楽しみにしていただけたらなと思います」
小坂菜緒(こさか・なお)プロフィル
2002年9月7日生まれ、大阪府出身。17年、けやき坂46の2期生に加入。19年に改名した日向坂46のメンバーとして活躍中。その一方で、大河ドラマ「光る君へ」(24年、NHK)や、映画「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」(21年)、「ゼンブ・オブ・トーキョー」(24年)などの作品に出演。女優としての活動にも力を入れている。

