女優の髙石あかりがヒロイン松野トキを演じるNHK連続テレビ小説「ばけばけ」（総合ほか）の第56回が15日に放送される。物語はこの日から第12週「カイダン、ネガイマス。」（第56～60回 演出：泉並敬眞）に入り、レフカダ・ヘブン（トミー・バストウ）が連日、金縛りに遭うようになる。トキはお祓いを勧めるが、日本語ではなかなか伝わらない。
「ばけばけ」第11週「ガンバレ、オジョウサマ。」（第51～55回）振り返り（ネタバレあり）
日本で初めての正月を迎えたヘブンは、トキに羽織袴を着せてもらい、日本のあいさつも教わって上機嫌。そこへ通訳の錦織友一（吉沢亮）が訪ねて来て、より深い関係を築きたいと、学校以外では「ヘブンさん」と呼ぶことを提案した。ヘブンも快諾し、さらに1年の抱負を尋ねると、日本滞在記を完成させるための「ラストピース」を探していると語った。トキは、滞在記を仕上げたらヘブンが松江を離れてしまうのではないかと不安を覚えた。
その後の新年会で、ヘブンは「ツギ、フユ、ワタシ、マツエ、イナイ」とあいさつし場を凍らせる。借金を抱える松野家にとって、トキが女中として得る給金20円は生活の支えで、ヘブンが去れば、再び借金返済に追われる生活に戻ってしまう。家族は、ヘブンに思いを寄せる島根県知事の娘、江藤リヨ（北香那）がヘブンを射止めれば、トキも知事家の女中となれると考えてリヨの恋を後押しするが、トキだけは心がザワついた。
リヨは偶然を装ってヘブンと会ったり、ハンコをプレゼントしたりと積極的にアプローチ。そのころ、松江新報の梶谷吾郎（岩崎う大）から、リヨがヘブンにプロポーズするつもりだと聞かされ、トキは動揺を隠せない。そして江藤家で行われたヘブンの快気祝いで、リヨはついに「私と夫婦になってください」と告白した。
戸惑うヘブンは、錦織を通して初めて自分の過去を語り始める。ギリシャで生まれ、欧州から米国へと渡り歩き、どこにも居場所を定められなかったこと。米シンシナティではマーサ（ミーシャ・ブルックス）という女性と出会って夫婦になったが、その地域では異人種間の結婚が禁止されており、結婚を強行したヘブンは新聞社を解雇され、マーサも自暴自棄となった。やがて別れを決意したヘブンはこのとき、「ただの通りすがり」として生きていくこと、誰とも深くかかわらないことを心に決めたと述べた。帰宅したヘブンは沈んでおり、リヨからもらった鳥を空へ放した。その姿を見たトキは、リヨとの関係が終わったと察した。
翌朝、リヨはトキにこれまで応援してくれた礼を伝え、「あなたが前に言ってた『先生は通りすがり』という意味がようやくわかりました」と述べた。そして「大変よ…先生を射止めるのは」と意味深に告げ、トキを困惑させた。
その日、ヘブンはトキに「金縛り」に遭ったと訴えた。トキは興奮しながら、金縛りは幽霊の世界の入口で、その恐怖で動けなくなり連れていかれるのだと説明。ヘブンも興奮気味に納得した。
一方、ヘブンの過去を知った錦織は元気がなく、登校中に「ヘブンさん、あなたにとって、私とは、一体、どういった存在なのでしょうか？」と尋ねた。ヘブンの答えは「スバラシ、ツウヤク」。錦織はその言葉にショックを受け、翌日から迎えに来なくなった。ヘブンは理由がわからず戸惑った。
「ばけばけ」第56回あらすじ
ヘブンは連日、金縛りに遭っていた。トキはヘブンにお祓いを勧めるが日本語ではなかなか伝わらず、肝心の錦織も、なぜかヘブンを避けて迎えに来ないため、トキは成す術がない。
しかし数日後、出勤前のトキを錦織が訪ねる。錦織から聞いたお祓いの英語の説明をトキが伝えるとヘブンは興味津々。トキはヘブンと錦織の代わりに通訳を頼まれた松江中の生徒、正木清一（日高由起刀）とお祓いにでかける。
朝ドラ「ばけばけ」とは？
松江の没落士族の娘、小泉セツと、その夫で作家のラフカディオ・ハーン（小泉八雲）をモデルとした物語。島根や熊本などを舞台に、怪談を愛し、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の姿をフィクションとして描く。脚本は「バイプレイヤーズ」（テレビ東京）や「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」（総合）などで知られるふじきみつ彦氏。主題歌「笑ったり転んだり」をハンバート ハンバートが歌う。
