女優の髙石あかりがヒロイン松野トキを演じるNHK連続テレビ小説「ばけばけ」(総合ほか)第65回が26日、放送され、トキとレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)が手をつないで歩き出すラストシーンに視聴者から大きな反響が寄せられた。ドラマは折り返し地点を迎え、年明けから物語は後半戦へと突入。この日、通常なら本編後に予告が流れるのだが、この日はタイトルバックが「後回し」になる構成で、予告はなし。次週、思いを確認し合った2人がついにゴールインするとみられる。ドラマは新しいステージに入り、視聴者の期待も高まっている。
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毎晩、ヘブンに怪談を語りながら、トキは滞在記を書き終えたら帰国するのかと尋ねるが、ヘブンは日本語が分からないふりをして答えを避ける。そんなある日、トキのもとに前夫の銀二郎(寛一郎)から、4月最初の土曜に松江を訪れるので会いたいという手紙が届く。女中のトキは「知り合い」に会うため休みたいと願い出るが、ヘブンは返事を保留。しかし後日、1通の手紙を受け取ると、「OK。ヤスム、ドウゾ」と休暇を認めた。差出人は恋人のイライザ・ベルズランド(シャーロット・ケイト・フォックス)だった。
前日の金曜、4年ぶりに松江へ戻った銀二郎は、まず松野家の家族に会い、自身の出奔を謝罪する。そして東京で会社を興し社長になったこと、月に200円を稼いでいることを明かし、トキとやり直して家族全員で東京で暮らしたいと直訴した。
その夜、トキはヘブンに銀二郎と会うことを正直に伝える。会いたい相手と会えるはずの2人だが、胸の内は晴れなかった。
土曜、イライザが初来日。トキと銀二郎も再会を果たす。一方、ヘブンはイライザを「同僚」と紹介してしまい、彼女を不機嫌にさせる。そこに通訳の錦織友一(吉沢亮)が合流。イライザは、滞在記完成後にヘブンが日本を離れるつもりだと明かし、錦織を動揺させた。
やがて5人は月照寺で鉢合わせする。イライザに問われ、ヘブンはトキを「私の女中」と紹介した。ぎこちない空気のなか、この寺に伝わる怪談の話題になると、ヘブンは目を輝かせる。トキはヘブンの求めに応じ、いつものように通訳なしで「月照寺の大亀」を語り始めた。次第に2人だけの世界となり、銀二郎とイライザ、錦織は完全に置き去り状態に。イライザは、人とかかわることを拒んできたヘブンが土地に溶け込み、変わったことに驚く。英語が分からない銀二郎も、その雰囲気からイライザの心情を察した。
その後、銀二郎はかつて東京で交わした約束に触れ、「おトキちゃんと…やり直したい」と思いを伝え、東京で一緒に暮らそうと続けた。そのころ、ヘブンはイライザを自宅に招いていた。ヘブンはイライザに、トキのことをただの女中だと説明するが、イライザはその言葉を信じない。そして、日本を離れ、2人で一緒に暖かい土地で滞在記を書かないかと誘うが、ヘブンは何も答えなかった。
その晩、トキは銀二郎を花田旅館に送り、ヘブンもまたイライザを同旅館へ連れて行った。銀二郎が泊まる部屋の窓からは、橋の前で涙を流すトキの姿が見える。隣室に泊まっていたイライザが銀二郎に声をかけた。「私とあなたは一緒ね」。銀二郎はその言葉に彼女の気持ちを理解した。
翌朝、銀二郎も松野家を訪れ、「すみません、諦めます」と謝罪。トキを愛しているからこそ、彼女の幸せを願っていると述べた。「おトキちゃん…いつか、東京に怪談を聴きに来て。私とじゃなくてええけ…。あの人とでええけ」。銀二郎はトキの背中を押した。
松江大橋の前で、トキとヘブンが顔を合わせる。イライザは明日帰るという。ヘブンは「サンポ、イッテキマス」と言って歩き出した。トキは「あの…。私も…ご一緒してええですか?」と声をかけた。「ハイ」。2人は笑いながら湖畔を並んで歩き、手をつないで帰った。
その終わり方に視聴者は大興奮で、SNSには「今年最後の『ばけばけ』朝からキュンキュンがやばいょー」「今日は保存版…」「ハンバートハンバートの歌がここで効いてくるとは思わんのよ…」などのコメントが続々。感動的なエンディングに「『第一部、完』感がすさまじい。劇場版かと見紛うほどに」「見事に『第一部 完』というう作りだったな。これからの予告すらないし。説明的な台詞やナレーションが一切無かったのもいい」「本当に最終回みたいな終わり方だわw」という声もあった。また「1月5日まで待てない」といった視聴者が目立ったなか、トキが女中でなくなったあとの雨清水家を心配する人もおり、「タエさんと三之丞はどうなるのか?」というポストもあった。
朝ドラ「ばけばけ」とは?
松江の没落士族の娘、小泉セツと、その夫で作家のラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルとした物語。島根や熊本などを舞台に、怪談を愛し、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の姿をフィクションとして描く。脚本は「バイプレイヤーズ」(テレビ東京)や「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」(総合)などで知られるふじきみつ彦氏。主題歌「笑ったり転んだり」をハンバート ハンバートが歌う。

