中央競馬今年最後のGIレース、第70回有馬記念は28日、千葉県の中山競馬場でファン投票で選出された9頭を含む16頭が出走して行われる。午前8時現在、単勝の1番人気は昨年の優勝馬レガレイラ(牝4、美浦・木村哲也厩舎)。2番人気は今年の皐月賞馬ミュージアムマイル(牡3、栗東・高柳大輔厩舎)、3番人気が昨年の日本ダービー馬ダノンデサイル(牡4、栗東・安田翔伍厩舎)となっている。1レース500億円を超える売り上げを記録する暮れの大一番だが、今年は直前までTBS系連続ドラマ「日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』」が放映されたことで、馬券の売れ行きにもちょっとした異変が起きており、SNSで競馬ファンが驚きを見せている。
ドラマの「第70回有馬記念」は?
「ザ・ロイヤルファミリー」は競馬の世界を舞台に、夢を追う大人たちが家族や仲間との絆で奇跡を起こす20年の物語。山本周五郎賞とJRA賞馬事文化賞を受賞した早見和真氏の同名小説が原作で、日本中央競馬会(JRA)の全面協力により制作された。主人公の栗須栄治を俳優の妻夫木聡が演じたほか、SnowMan・目黒蓮、松本若菜、沢村一樹、中川大志ら豪華俳優陣が共演した。
劇中の「第70回有馬記念」は、逃げが予想されていた1番ビッグホープがスタートで出遅れ、1周目の直線で天皇賞・秋を制したレインボーキャンプがレースを引っ張る意外な展開になった。前半の1000メートルが59秒4という早い流れになるなか、好位につけた無敗の3冠馬、2番ソーパーフェクトが3コーナーで仕掛け、前走ジャパンカップを制した主人公たちの愛馬、14番ロイヤルファミリーが食らいつく。そして中山競馬場の最後の短い直線、ファミリーが先頭に立ち、チームの悲願達成かと思われた瞬間、大外からビッグホープが強烈な末脚で襲い掛かったというレース内容だった。
「1→14→2」の3連単は…
結局、1→14→2の順で決まったことになるが、この順通りの3連単馬券が売れているとして、Xで話題となっている。現実の有馬記念で該当する3つの馬番は、菊花賞3着のエキサイトバイオが1番、GIII1勝のアラタが14番、昨年のジャパンカップ2着のシンエンペラーが2番に入っている。28日8時現在の単勝人気はシンエンペラーが6番人気で、エキサイトバイオが7番人気と穴人気しているが、アラタはブービーの15番人気となっている。
1→14→2のオッズは約1000倍で、的中すれば100円が10万円になる。実は、2着に単勝1番人気のレガレイラが入った組み合わせは約1200倍で、人気薄のアラタが入ったこの組み合わせの方が売れている状況だ。
SNSでは、この「1-14-2」の組み合わせを「ロイヤルファミリー馬券」や「ドラマの再現」と呼ぶ声が殺到。Xには「ロイヤル馬券が売れてるらしいよ」「不自然なほどに売れている」「みんな考えることは同じ」といった書き込みが相次いでいる。また「3連単のオッズだけおかしい」「サイン馬券的なものでここまでのオッズになるのは初めて見た」と、純粋に数字の動きに驚愕する競馬ファンも少なくない。ドラマの熱狂が現実にどのような結末をもたらすのか、発走の瞬間に注目が集まる。

