朝ドラ「ばけばけ」髙石あかり→「風、薫る」上坂樹里リレー 26年、日曜劇場「御上先生」が注目されるかもしれない?そのワケは…

朝ドラ「ばけばけ」髙石あかり→「風、薫る」上坂樹里リレー 26年、日曜劇場「御上先生」が注目されるかもしれない?そのワケは…

俳優の松坂桃李が主演を務め、今年1月期に放送された連続ドラマ「日曜劇場『御上先生』」(TBS)。映画「新聞記者」(2019年)などで知られる詩森ろばさんが脚本を担当した初の民放連続ドラマで、完成度の高いストーリーやキャスト陣の熱演が話題を呼んだ。いわゆる「学園ドラマ」は若手俳優たちの「登竜門」とされ、これまで数多くの名優を輩出してきた。「御上先生」も例外ではなく、今後の芸能界を担うであろう若手たちが顔をそろえ、フレッシュな芝居で作品を盛り上げた。

そんな本作が今年6月3日、あるニュースをきっかけにドラマファンの間で大きな話題となった。それは、26年放送予定のNHK連続テレビ小説「風、薫る」で、女優の上坂樹里がダブルヒロインの1人を務めることが決まったという一報。節目ごとに注目を集める朝ドラヒロイン決定のニュースだが、その前作にあたり現在放送中の「ばけばけ」では、女優の髙石あかりが主演を務めている。実は上坂と髙石は、「御上先生」で同じクラスの生徒役として共演していた。この並びが注目され、SNSでは当時「御上先生リレー」といった言葉が飛び交った。

高石あかりは物語のキーマンに(ネタバレ)

「御上先生」は、松坂が日劇で初主演を務めた作品で、東大卒のエリート文部科学省官僚、御上孝役を演じた。官僚でありながら教師でもある「官僚教師」となった御上が、文科省から私立高校3年生の担任として現場に立ち、令和を生きる生徒たちと向き合いながら、日本の教育界にはびこる権力構造に立ち向かっていく姿が描かれた。

その作品で、髙石が演じたのは、東大合格者数県内ナンバーワンを誇る隣徳学園3年2組の生徒、千木良遥。政治家の娘で、物語終盤では大人たちの利権争いに翻弄されるキーパーソンの1人となった。遥は優等生でありながら、実は不正入学者の1人で、本人の知らぬ間に不正に巻き込まれていた。その事実を知った遥は激しく葛藤し、最終回(3月23日放送)では、父の不正を告発すべきか悩み、「私の正義は、お父さんを捨てることなの?」と吐露。その姿は多くの視聴者の心を揺さぶった。

髙石が「ばけばけ」で主演を務めることが発表されたのは24年10月。「御上先生」放送当時から、SNSには「さすが朝ドラヒロイン」「圧倒的な説得力」といった声が寄せられ、「千木良さんの涙にもらい泣きした」という反応も見られた。髙石といえば、「ベイビーわるきゅーれ」シリーズ(テレビ東京)で見せたアクションとコメディー演技が高く評価されてきたが、本作では女優としての新たな一面を示し、「ばけばけ」への期待を一層高めた。

松江の没落士族の娘、小泉セツと、その夫で作家のラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、怪談を愛し、何気ない日常を歩んでいく夫婦の姿をフィクションとして描く「ばけばけ」。笑いと涙が絶妙に交差するこの朝ドラで、髙石はヒロイン松野トキを生き生きと演じている。

上坂が「御上先生」で演じたのは、遥の2つ隣の席に座る東雲温。彼女の父親は元中学校教師で、文部科学省の学習指導要領に沿わない独自教材を用いた授業を行っていたことから、規定違反を理由に退職を余儀なくされた。これを機に両親は離婚。温は母親と暮らすことになり、こうした経緯から、文科省官僚である御上に強い反発心を抱いていた。しかし物語が進むにつれ、クラス全体での議論を通して制度の背景や意義に触れた温は、御上の立場や考え方を理解するようになり、次第に態度を軟化させていく。また第4話(2月9日放送)では、クラスメイトの富永蒼(蒔田彩珠)とともに文化祭で「教科書検定」をテーマにした展示を提案するなど、印象的な存在感を放った。

そんな上坂は、2410人が参加したオーディションを勝ち抜き、見事に朝ドラヒロインの座を射止めた。26年放送の「風、薫る」は、明治という激動の時代を舞台に、幸せを求めて生きる少し型破りな2人のナースを描く物語。大関和さんと鈴木雅さんという2人のトレインドナースをモチーフにした、ヒロイン2人のバディドラマだ。上坂が演じるのは、鈴木さんをモデルにした大家直美。大関さんをモデルにした一ノ瀬りん役で、見上愛が出演する。

ちなみに髙石と上坂は、同じ事務所に所属する先輩後輩の関係でもある。「御上先生」では直接的な絡みはなかったが、慣例通りであれば、26年3月に行われる恒例の朝ドラヒロイン「バトンタッチセレモニー」で、髙石が上坂と見上のもとを訪れることになる。2人の再会が実現すれば、「御上先生」が再び注目を集めるかもしれない。

古くは「3年B組金八先生」(同局)の「たのきんトリオ」をはじめ、松本潤や小栗旬、亀梨和也、赤西仁、速水もこみちらを輩出した「ごくせん」シリーズ(日本テレビ)、織田裕二が教師役を演じた「太陽と海の教室」(フジテレビ)には、岡田将生(幼少期役で北村匠海)、濱田岳、吉高由里子、賀来賢人、前田敦子らが出演するなど、学園ドラマはこれまで多くのスターを生み出してきた。

リアルタイムでの視聴はもちろん、再放送などで改めて見ることで新たな発見があるのも学園ドラマの魅力。「御上先生」もまた、5年後、10年後に振り返ることで、違った見え方をする作品になるかもしれない。ちなみに「ばけばけ」で花田旅館の女中、ウメを好演している野内まるも、「御上先生」では3年2組の生徒、戸隠栞役で出演していた。

配信元: iza!

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