第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は3月5日に開幕する。日本代表「侍ジャパン」にとっては2連覇がかかる大会で、日本はドジャースの大谷翔平投手(31)が参加を表明、山本由伸投手(27)も予備ロースター入りをしていることが判明した。日本が4度目の世界一を目指す大会でどのチームがライバルになるのか-。1次ラウンド各組の戦力を分析した。第4回は米フロリダ州マイアミで開催されるD組を紹介する。(丸数字はWBSC世界ランキング)
D組(3月6~11日、マイアミ)○ベネズエラ⑤、◎ドミニカ共和国⑫、オランダ⑩、イスラエル㉑、ニカラグア⑯
世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が発表する世界ランキングがまったく当てにならないのがこのD組だ。WBSCのランキングはアンダー世代の大会の成績も算入され、10代後半からMLB傘下のアカデミーでプレーする選手が多数を占めるドミニカ共和国やベネズエラのランキングは上がりにくい。一方で欧州で最強格のオランダは大陸別大会などでポイントを重ねるため上位になる。
最強布陣そろうも、過去2大会で通算6勝4敗と振るわないドミニカ共和国
D組で最強の戦力を誇るのはドミニカ共和国だ。フアン・ソト外野手(27)=メッツ、フェルナンド・タティスJr.外野手(26)=パドレス、ウラジーミル・ゲレロJr.内野手(26)=ブルージェイズ=の同世代トリオがキャリアの全盛期を迎えているほか、ホセ・ラミレス内野手(33)=ガーディアンズ、マニー・マチャド内野手(33)=パドレス=とリーダー役を担う人材もそろっている。
投手は2022年サイ・ヤング賞投手のサンディ・アルカンタラ投手(30)=マーリンズ、25年17勝のフレディ・ペラルタ投手(29)=ブルワーズ、同13勝のフランバー・バルデス投手(32)=アストロズFA、同13勝のクリストファー・サンチェス投手(29)=フィリーズ=とオールスター級の選手がそろっている。日本、米国と並んで優勝候補の筆頭だ。ペラルタとサンチェスは一部報道で辞退が報じられ、バルデスの去就が決まっていない点はやや気がかりだ。
ただ、ドミニカ共和国は前回大会は1次リーグ敗退、17年大会も2次リーグ敗退と過去2大会で通算6勝4敗。全勝優勝した2013年大会以外はパッとした成績を残せていない。
国民性なのか、「お祭り人事」でビッグネームをそろえすぎて、本職以外のポジションを守らせ、守りのミスで負ける-。毎回のように優勝候補に挙がりながら、このパターンで早期敗退を繰り返している。
本職三塁だけで4人も…悪癖の「お祭り人事」に不安
今大会もマチャド、ラミレス、フニオール・カミネロ内野手(22)=レイズ、ラファエル・ディバース内野手(29)=ジャイアンツ=と三塁を本職とする選手が4人も入っている。本番前の強化試合をサントドミンゴで開催することもあり悪癖の「お祭り人事」は過去大会以上に加速しそうだ。強豪国であれ、弱小国であれ、野手のポジションはDHを入れても9つしかないのは同じ。スター軍団の「お祭り人事」がハマれば圧倒的な強さを発揮することが期待できるが、つまらないミスで早期敗退しそうなもろさが解消されていないのも事実だ。
ベネズエラ アクーニャJr.は今大会も出場許可
前回大会のD組でプエルトリコ、ドミニカ共和国を抑えて全勝で首位通過したベネズエラは初優勝を目標にチームを強化。同国出身メジャーリーガーの総大将的存在のサルバドール・ぺレス捕手(35)=ロイヤルズ=がキャプテンを務める。前回大会は故障歴への懸念で一度は辞退。大会直前になってようやく出場が認められたロナルド・アクーニャJr.外野手(28)=ブレーブス=も球団から出場許可を得た。ルイス・アラエス内野手(28)=パドレス、ホセ・アルテューベ内野手(35)=アストロズ=のビッグネームも参戦予定で、ドミニカ共和国に引けを取らない。
投手陣は25年にフィリーズで15勝を挙げたヘスス・ルサルド投手(28)を中心に、ヘルマン・マルケス投手(30)=ロッキーズ=らMLB球団のローテーション投手を擁するが、パブロ・ロペス投手(29)=ツインズ=が負傷者リスト入りしてシーズンを終えるなど、参加可否が不透明な選手もいる。
ドミニカ共和国との直接対決は1次リーグ最終戦に組まれており、順当に3勝同士でいけばここが順位決定戦となる。この組の1位は日本のC組の2位と2位は1位と準々決勝で当たるため、ドミニカ共和国-ベネズエラの一戦は侍ジャパンの命運を左右する一戦にもなる。
オランダのスター候補 左右両投げのサインチェ
2017年大会の2次リーグで日本とタイブレークの大激闘を演じ、4強まで勝ち進んだオランダは世代交代が進んでおらず、前回大会は1次リーグ敗退に終わっている。ブレーブスや楽天で活躍したアンドルー・ジョーンズ氏(48)を新監督に迎える今大会は強豪2チームと同組になったこともあり、厳しい戦いとなりそうだ。ただ、楽しみな選手もいる。
2024年にマリナーズから1巡目(全体15位)指名を受けた左右両投げのジュランジェロ・サインチェ投手(22)がメンバー入りする見込みだ。右で最速100マイル(約161キロ)、左で94マイル(約151キロ)を投げ、マイナーでは右で先発を、左でリリーフを担っていた。異色の“二投流”は今大会でスターダムにのし上がることが確実で、今から名前を覚えておけばどや顔で自慢ができる存在だ。
イスラエルはユダヤ系米国人選手を中心としたチーム編成となる見込みで、2025年にMLB全体トップの19勝を挙げたマックス・フリード投手(31)をチームに加えることができるかがカギとなりそうだ。1勝が計算できる先発投手を用意できれば、次回大会の本戦ストレートイン枠の確保は容易になる。
ニカラグアは本戦初出場の前回大会は全敗で1次リーグ敗退に終わったが、イスラエルとは1-3の接戦を演じた。今大会も予選を勝ち抜いて本戦まで上がってきており、着実に力をつけている。
この組は1位、2位の入れ替わりこそあり得るものの、ドミニカ共和国、ベネズエラが通過することはほぼ間違いない。3位候補はオランダで、4位イスラエル、5位ニカラグアと予想するが、オランダの世代交代が進んでいないこともあり、下の3チームの実力差はそれほど大きくはない。

