第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は3月5日に開幕する。日本代表「侍ジャパン」にとっては2連覇がかかる大会で、日本はドジャースの大谷翔平投手(31)が参加を表明、山本由伸投手(27)も予備ロースター入りをしていることが判明した。ヤクルトからホワイトソックスへ移籍した村上宗隆内野手(25)についても球団がWBC出場を容認する見通しだ。日本が4度目の世界一を目指す大会でどのチームがライバルになるのか-。最終回では決勝トーナメントの勝ち上がりを予想した。
C組1位なら準々決勝はベネズエラ 米国、ドミニカ共和国とは決勝まで当たらない
イザ編集部はこの連載の過去4回でA組は1位プエルトリコ、2位カナダ、B組は1位米国、2位メキシコ、C組は1位日本、2位台湾、D組は1位ドミニカ共和国、2位ベネズエラと予想した。
これをこのままトーナメント表に当てはめると準々決勝はヒューストン開催の準々決勝①(3月13日)が米国(B組1位)-カナダ(A組2位)、同②(同14日)がプエルトリコ(A組1位)-メキシコ(B組2位)、マイアミ開催の準々決勝③(13日)がドミニカ共和国(D組1位)-台湾(C組2位)、同④(14日)が日本(C組1位)-ベネズエラ(D組2位)となる。
米国と日本の2チームは準々決勝の試合日が固定されており、仮に2位で通過しても米国は3月13日に、日本は14日に試合をすることになる。米国が2位通過だった前回大会で混乱を呼んだ要素だが、テレビ放映やチケット販売などの都合もあり、今大会でも日米の試合日は固定される。
日米の試合日固定、2位通過時に混乱呼ぶ可能性
また、マイアミで行われる準決勝については、米国版の大会公式サイトにしか詳細な記述がないのだが、準々決勝①と③の勝者が15日に、②と④の勝者が16日に対戦することになっている。
日本や米国が2位で通過した場合、準決勝①と②、③と④の間で開催日が入れ替わるが、トーナメント表(やぐら)の中での位置は変わらない。
前回大会のC組でメキシコが1位、米国が2位となったことで混乱が生じたが、試合日程の複雑さは今大会も解消されておらず、日米のいずれかが2位になったら大きな混乱を呼びそうだ。
そういった事態にならないためにも、日本はC組を1位で突破したい。対戦相手はD組2位予想のベネズエラだ。D組は最終戦にドミニカ共和国-ベネズエラのカードが組まれており、両チームが順当に勝ち進んでいれば3勝同士の対戦で最終戦は順位決定戦となる。
もっとも、前回王者の日本との早期対戦を両チームとも望んでいないはずなので、無気力試合のようなことにはならないはずだ。
NPBの映像を大会前に取り寄せるなど、前回大会でメキシコは入念な日本対策をしてきたが、ドミニカ共和国とベネズエラがどこまで日本を対策してくるかは未知数だ。
日本には左腕! ベネズエラはルサルド、ドミニカ共和国はバルデス
ただ、大谷、近藤、村上、吉田、佐藤輝と主力に左打者が多いことぐらいは把握しているはずで、決勝トーナメントの1回戦ということもあり、先発ローテにも余裕がある。ほぼ間違いなく左をぶつけてくると思っていていい。ベネズエラが来た場合は25年15勝のヘスス・ルサルド投手(28)=フィリーズ=が、ドミニカ共和国なら同13勝のフランバー・バルデス投手(32)=アストロズFA=が日本戦の先発マウンドに上がってくるだろう。ドミニカ共和国の先発ローテには25年に13勝を挙げた左腕のクリストファー・サンチェス投手(29)=フィリーズ=も加わっている可能性があるが、現地メディアはサンチェスが辞退する可能性を伝えている。
同じ左腕でも、ルサルドは最速155・3キロのストレートが33%、スイーパーが31%、チェンジアップが17%、シンカーが11%の投球割合で、バルデスは最速152キロの高速シンカーが45%、カーブが33%、チェンジアップが18%で純粋な4シームはほとんど投げない。
いずれも手ごわい左腕だが、どちらが対策できそうかで言えば、ルサルドのベネズエラだろう。ルサルドはソフトバンクのリバン・モイネロ投手(30)に比較的似たタイプで、NPB組もイメージがしやすい。一方でバルデスのような特殊な投手はNPB組はほとんど初見となる。ちなみに大谷はルサルドに対して14打数2安打で打率・143ながら、その2安打はいずれも本塁打だった。バルデスに対しては39打数5安打で打率・128、本塁打は1本。大谷の対戦成績を見ただけで、両者ともいかに恐ろしい投手か想像はつくはずだ。
日本の過去大会敗退は「打てなくて負けた」
日本が過去大会で敗退した2試合を見ると、2013年大会の準決勝プエルトリコ戦で1-3、17年大会の準決勝米国戦で1-2と「打てなくて負けた」が日本の敗戦パターンだ。逆に、日本の投手陣が打ち込まれて負けたというケースはない。
まずは準々決勝でベネズエラのルサルドを攻略することが連覇への第一関門だ。
準々決勝はプエルトリコ(A組1位)とメキシコ(B組2位)の勝者との対戦となる。メキシコは前回大会に続いて、ロドリゴ・ロペスGMとベンジー・ヒル監督の体制で、目標は初優勝だ。プエルトリコも強敵だが、ここはメキシコが上がってくると予想する。前回大会は事前にNPBの映像を取り寄せるなど徹底的な日本対策を行い、準決勝で日本をあと一歩のところまで追い詰めた。
メキシコは前回大会よりも戦いやすい相手に
ただ、今大会は左腕のパトリック・サンドバル投手(29)=レッドソックス=が手術明けで不在。ほかにメジャー実績のある左腕はおらず、DV問題で所属球団がないフリオ・ウリアス投手(29)=元ドジャース=をメンバーに加えるような禁じ手を使ってこない限り、前回ほど日本を苦しめるような存在ではなさそうだ。
決勝は順当なら米国orドミニカ共和国
決勝はよほどの波乱がない限り、米国(B組1位)かドミニカ共和国(D組1位)のいずれかが相手になる。
ドミニカ共和国はバルデスを、米国はサイ・ヤング賞左腕のタリク・スクバル投手(29)をぶつけてくるはずだが、決勝までの登板状況によって必ずしも左腕を日本戦にぶつける余裕がないことも考えられる。なので、ドミニカ共和国、米国とはどちらかと決勝だけで対戦すればいい、C組1位の確保が大切になってくる。
「2位じゃダメなんですか?」「ダメです!」
仮に2位で行った場合、準々決勝でドミニカ共和国にバルデスをぶつけられ、準決勝で米国にスクバルをぶつけられるのだ。1位通過でベネズエラのルサルドを攻略できる保証もないが、バルデス、スクバル相手の連戦になる2位通過だと、決勝進出は極めて厳しくなるだろう。
大会通じて左腕攻略がカギ
1次リーグでも台湾はダイヤモンドバックス傘下3A所属のエース左腕・林昱珉投手(22)、韓国は元ドジャースの柳賢振投手(38)=ハンファ=を日本戦に先発させてくる可能性がある。日本はどうしても左腕を呼びやすい打線となっているため、大会を通して左腕攻略がカギとなる。

