入籍直前、婚約者・一志の280万円の借金が発覚。義両親の肩代わりと彼の涙の謝罪を信じ、鈴子は結婚を決意する。しかし入籍からわずか二週間後、彼は再び知人から借金。地獄の新婚生活が幕を開ける。
入籍まであと1週間…
「鈴子、愛してる。一生大事にするから。俺、変わるよ」
そう言って私の前で泣き崩れたのは、入籍をわずか1週間後に控えた夫の一志でした。
私の名前は鈴子、31歳。一志とは職場で出会い、優しくて少しお調子者な彼に惹かれました。結婚が決まり、新居も決まり、あとは役所に婚姻届を出すだけ……そんな幸せの絶頂で、私は一志の「正体」を知ったのです。
夫の借金が判明
きっかけは、彼のカバンからこぼれ落ちた督促状でした。
「これ、何……?」
それを拾い上げると、そこには消費者金融3社からの名前と、合計280万円という信じられない数字が並んでいました。
「……ごめん。パチンコと競馬で、ちょっとずつ膨らんじゃって」
目の前が真っ暗になりました。私の両親に報告すると、父は激怒しました。
「鈴子、悪いことは言わん。今すぐ別れなさい。借金癖は病気だ、一生治らんぞ」
当然の言葉でした。けれど、一志の両親が泣きながら割って入ったのです。
「本当に申し訳ない! 借金は私たちが全額、肩代わりして返済します。一志には二度とさせないと誓わせるから、どうか、どうか結婚してやってくれないか……」
一志も土下座して、「カードは全部解約した。ハサミも入れた。もう二度としない。信じてくれ」と繰り返しました。私はその涙を信じてしまったのです。これが彼という人間の「演技」の一部だとも知らずに。
結局、義両親の誠意と、一志への未練から、私は結婚を決意しました。 「これから、2人で頑張っていこうね」 そう笑い合った入籍の日。でも、地獄は始まったばかりでした。

