反町隆史、大森南朋、津田健次郎がトリプル主演を務め、中学時代の同級生3人組が人生を再起動させるべく奮闘する熱血コメディードラマ「ラムネモンキー」(フジテレビ系、水曜午後10時)が、14日にスタートする。
人気シリーズ「コンフィデンスマンJP」「リーガルハイ」、NHK大河ドラマ「どうする家康」などで知られる古沢良太さんが脚本を手がけるオリジナルの連ドラ。「1988 青春回収ヒューマンコメディ」がテーマで、中学時代に憧れていた顧問教師の失踪事件を追いながら、51歳になった旧映画研究部の凸凹トリオが少年時代を過ごした町で忘れていた情熱を取り戻していく姿を描く。3人が演じるのは、吉井雄太(反町)、藤巻肇(大森)、菊原紀介(津田)。現場では、実際の同級生のような空気感で撮影に臨んでいるという。息の合った3人の掛け合いも、本作の大きな見どころとなりそうだ。
――台本を読んだときの感想は?
反町「すごく独特の世界観だと思いました。元々、古沢さんの作品を拝見すると、時間の描写が淡々としていて、一見派手な物語ではないけれど、淡々としているからこそ、後々グッとくる素晴らしい時間の流れがあるんです。脚本を読んでいても、とても感動するところがありながら、日常的で『ああ、なるほど、こういうことあるよね』と普段の暮らしと離れていないので、そういう世界観の中で芝居ができると思うと、とても新鮮でした」
大森「古沢さんは僕らと同世代なので、世代感のえぐり方が面白かったです。僕は『リーガルハイ』や『どうする家康』で古沢さんとご一緒しているので、要所要所でセリフの量がすごいことになるのは知っています。いつもそれが大変で、今回も脚本を読んで『うん、今回もがんばろう』と思いました(笑)」
津田「単純に面白くて、初見で引き込まれました。緻密さ、仕掛けの面白さがある一方で、3人のダメおじさんの話が日常の延長線上にあることに違和感がなくて説得力があるし、この作品の設定は地味だと思います。でも描かれていることがなぜか派手に感じるんです。その“地味派手”さが不思議というか面白くて、中二病を抱えたおじさんたちのコメディーでありながら、反町くんが言ったように感動的なところもあって、エンターテインメント作品として読み応えがありました」
――みなさんが演じられるキャラクターをどのように捉えていますか? ご自身と共通点などありますか?
反町「僕は兄がいる設定で、兄に憧れる気持ちっていうのはあるんだろうなと思います。というのも僕には姉がいて、姉に憧れる気持ちとどこかリンクするんですよね。自分より先を行って、いろんなことを楽しむ姿をうらやましいと思う気持ち。雄太もそういう思いを抱いているのを感じて、僕と通じるところがあると思っています。雄太は第1話の冒頭からちょっと大変な状況に置かれて、『ここまで一生懸命にやってきたのに』『こんなはずじゃなかった』と思わずにいられなくなります。自分の選択が間違いだったこと、一歩間違えて思わぬ方向に進んでしまうこと…。雄太が一瞬にして厳しい立場になってしまう展開にも非常にリアリティーがあるので、説得力を持って演じていきたいですね」
大森「肇はたぶん、3人で一番ポジティブというか、テンション高めというか。中二病を一番引きずっているのも肇だと思います。僕らみたいに俳優をやっている面々も、中二病みたいなところが少なからずあると思うので(笑)、割と自分に近いところがあるなと感じています」
津田「3人の中で一番大人しくて、地味で、気が弱いのが紀介です。雄太と肇の間をつなぐ“潤滑油”みたないポジションで、普段の僕にはない部分ですね(笑)」
大森「持ってないんだ(笑)」
津田「潤滑油になれるタイプではないですけど、僕の中にも気の弱いところがあるので、そこを共通項にして演じたいと思っています。3人が中学生のころのように楽しく過ごしている時間をリアルに作っていきたくて、今度、反町くんと南朋くんと、ギョウザを食べに行く約束をしているんですよ。皮が分厚くてうまいギョウザを出す店を2人が知っているそうで。それがすごく楽しみですね」
反町・大森「行きましょう。行きましょう!」
――本作はトリプル主演作とのことで、3人でひとつの作品に主演することの面白さなど、感じていることがあれば教えてください
反町「トリプル主演っていうのが僕は初めてですけど、『もうこれしかやりたくない』っていうぐらいにいいですよ(笑)。大人の世界観の物語を3人で紡いでいくのがとにかく面白くて。3人それぞれがメインになる回があって、この人物像だからこういう話しになるよね、という感じなんです。主人公が1人だけだったら、ここまでストーリーに幅を持たせられないと思うし、3人のキャラクターがバラバラだから、この人をメインにするとこういう話しができるんだ、ということがたくさんあるので、見ていて飽きないと思います。今回だけでなく、違った作品でもこの3人でトリプリ主演をやりたいです(笑)」
大森「すごくバランスがいいんですよ。僕は『大追跡』でもトリプル主演を経験していて、あの時も現場で『バランスがいいね』と話してました。これからトリプル主演が流行るんじゃないかと思っているんですけど(笑)」
津田「3人一緒に行動するけれど、グダグダとダメな会話を繰り広げるシーンがあって、その脱力した感じが面白いですよね。でも1人になると、3人でいるときとは違う一面が見えて、全員が何かしら抱えているものがあります。3人がくっついたり離れたりしながら、どんどん話が進んでいく過程は面白いと感じてもらえると思います。劇中で提示される謎を3人で結束して解決しようとするのも、1人でもなく、2人でもなく3人だからこそより力強いし、それぞれが抱えている問題をほかの2人が力を貸しながら解決しようとする姿も感動的で、トリプル主演だとこういう話ができるんだ、と思っています」
反町「3人がそれぞれ抱える問題の着地点がこれまた絶妙で、撮影はこれからですけど、いいシーンばかりなんです。大森さん、津田さんがメーン[小麻1] になったとき、どんなお芝居をされるのか間近で見られるのがいまから楽しみです」
――現場の雰囲気はいかがですか?
反町「我々は同じ世代なので…、といって、実は僕はこの3人で1番年下なんです(笑)。お二人は先輩方なので」
大森「反町くん、先輩感があるでしょ(笑)」
反町「役柄的に近しい関係なんだけれども、個性がみんなバラバラで、それが楽しいですね」
大森「楽しみがいっぱいある現場ですね。3人でいろいろ作っていかなくてはいけないので、それをみんなで共有していけたらいいなと思っています」
津田「僕らもそうですけど、スタッフの皆さんがいきいきとしていて、スタッフの中に若い方はすごく多いんですよ。めちゃくちゃ元気で、統率が取れているのがいいなと思っています。監督のテンションが非常に高くて、意図したものと違っていたら『違いますよ~!』とものすごい勢いでくるから、めっちゃテンションが高いなと思っています」
大森「たまに圧倒されちゃうよね(笑)」
反町「津田さんが言った通り、スタッフがすごくいいんですよ。ドラマの現場って昔は男社会でしたけど、ある時期からずいぶん女性のスタッフさんが増えたなということがあって、このドラマにも女性のスタッフさんがずいぶんいるし、男女を問わずみんなやる気があって、一体感があって、現場はすごく良い雰囲気ですよ」
――劇中に1988年を思い出す懐かしいアイテムが次々と登場するそうですが、特に「これは懐かしい」と思ったものはありますか?
反町「セットにレンタルビデオ店があったり、中学時代の部室だったり、これが本当にもう、懐かしくて。子供のころに住んでいた浦和の駅前に『YOU&I』というビデオ屋がありまして」
津田「『YOU&I』! 久しぶりに聞いた!」
反町「あのビデオ屋の感じ。VHSのビデオが縦にズラッと並んでいて『そうそう、こういう感じ』と懐かしかったです」
大森「僕ら、みんなその世代だから(笑)」
津田「そうそう。それだけで年がバレちゃいますね(笑)」
大森「セリフにも出てくる、ジャッキー・チェンとか、ユン・ピョウとか、サモ・ハン・キンポーとかの香港映画はドンピシャで見ていた世代なので、劇中の会話に出てくるだけで、ヤバいですよね。何が懐かしいって、もうすべてです。セリフの一つひとつとっても、『なんでこんな延々とマクロスの話をして終わるんだろう』みたいな(笑)。そういうやりとりも楽しいですし、今後もいろいろな懐かしいものと出会えるのを楽しみにしてます」
津田「世代的にドンピシャの世界観とワードが続出で、それをセリフで言うのは楽しいですね。それこそガンダムも出てきますし、懐かしいものだらけです。ある世代には刺さりまくるだろうし、若い世代のみなさんには新鮮に映るんじゃないかと思います。劇中でも、僕らが“懐かしトーク”で盛り上がって、若い子がシーンみたいな。『ごめんごめん』というやりとりがコメディー的な面白さを生み出しているんです。『ラムネモンキー』の『モンキー』にも由来があって、それがちょっとエモいんですよ。“エモい”なんていまっぽい言葉を使っちゃいましたけど(笑)」
――みなさんは中学生時代、どんな少年でしたか?
反町「ずっとサッカーに打ち込んでいて、自分なりに一生懸命だったし、プロのサッカー選手を目指していたこともあったので、『ああなりたい、こうなりたい』とものすごくたくさんの夢を見ていました。釣りが好きだったので、漁師にもなりたかったし。あと、冒険心が強い少年時代を過ごしていましたね」
大森「ほんと肇のような感じの子でしたね。スポーツが得意かといわれればそうでもないし、勉強ができるかといわれればそうでもないし、ただ、映画とか音楽とかドラマとかが大好きで、振り返ると何をしていたんでしょうね…。野球部には所属していて練習にも参加していましたけど、練習が終わったらすぐ帰って、『夕焼けニャンニャン』を見るのが一番の楽しみでしたね(笑)」
津田「僕も一応、テニス部に所属していて、ちゃんと練習もしたし、試合にも出ていたんですけれど、そんなに燃えているわけではなくて。役の設定で僕ら3人は中学時代、映画研究会に所属していますけど、僕自身も中学生のころ一番ハマっていたのは映画かも。中学生らしく『世界とはなんぞや』『吾とはなんぞや』と考えては頭の中がぐるぐるしだす、まさに中二病にかかった中学生でしたね」
――そもそも、ダメなおじさん3人組が主人公の物語と聞いたとき、どう思いましたか?
反町「まさに『勝負しているな』というのはありますよね。ただ、内容が非常に面白くて、プロデューサーをはじめ、制作部のみんなが何を作りたいのかが非常に明確なんです。とにかく熱量がすごい。だから『ラムネモンキー』という船に乗って、このチームが目指す方向に向かっていけば大丈夫だと思えるのは、役者として本当にうれしいですよね」
大森「僕は企画自体が純粋に面白そうだと思いました。この3人の現代パートと同時に少年時代のパートがあって、少年時代のところは何だか、えぐられる感じで。撮影が始まってからは、とにかく一生懸命がんばっていい芝居をして、いい作品にしたい、との思いでやっています」
津田「ダメなおじさんたちが、さらにしんどくなるストーリーですからね。僕や南朋くんは、まさに氷河期の本当に先頭集団で、社会に出たらバブルが終わって、そこから失われた30年が続き、ずいぶん苦しんだし、未だに苦しんでいる方もいるかもしれません。そんな世代のおじさんたちががんばる姿に、大きな共感を得られるのではないかと思います。女性たちがどんどん強くなり、若い子たちがどんどん自由になり、その間に挟まれて苦しんでいる僕ら世代の男性たちには、この作品に何らかの楽しみを見い出していただきたいし、女性のみなさんには“生暖かく”見守ってもらい、若い世代のみなさんには、『そんなことがあったんだ、面白いね』と新鮮に感じてもらえたら、すごくうれしいですね。敗者復活戦のようなドラマでもあり、挫折や苦しみっていうのは世代を問わず抱えているものだと思うので、その普遍性にも何かしら感じていただけるものがあるのではないでしょうか。ドラマ自体はコメディーありのエンターテインメント作品ですので、ぜひ、楽しんでいただきたいです」
反町「津田さんがこんなに熱く作品のことを語るのは珍しいんですよ」
津田「思い入れがね、あふれちゃいました」
大森「今、3人のコメントを聞いて思ったけれど、何だか役のまんまな気がしたな」
反町「津田さんがうまくまとめてくださいましたね。ありがとうございます」
反町隆史(そりまち・たかし) プロフィル
1973年12月9日生まれ。埼玉県出身。「ビーチボーイズ」「GTO」「相棒」など代表作は多数。近作に「オクラ~迷宮入り事件捜査~」「グレイトギフト」。26年2月15日スタート 放送・配信 WOWOW×Lemino連続ドラマ「北方謙三 水滸伝」に出演。
大森南朋(おおもり・なお) プロフィル
1972年2月19日生まれ。東京都出身。近作に「あなたを奪ったその日から」「大追跡〜警視庁SSBC強行犯係〜」、映画「平場の月」「栄光のバックホーム」。映画「ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。」が26年3月27日公開予定。
津田健次郎(つだ・けんじろう) プロフィル
1971年6月11日生まれ。大阪府出身。声優、俳優、ナレーターと幅広く活躍。25年放送の「1995〜地下鉄サリン事件30年 救命現場の声〜」でドラマ初主演。近作に連続テレビ小説「あんぱん」、大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」、日曜劇場「ザ・ロイヤルファミリー」など。

