現在放送中のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」(総合ほか)で、松江市内で唯一の舶来品店「山橋薬舗」を営む山橋才路を俳優の柄本時生が好演している。第37回(2025年11月18日放送)で、ヒロイン松野トキ(髙石あかり)が、レフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)と結婚する前、まだ女中として働いていたころ、ビールを買いに訪れて以来、山橋は姿を見せていなかった。しかし第73回(14日放送)で、結婚を機に武家屋敷へと引っ越したトキとヘブンのもとへ引っ越し祝いを持参し、再登場を果たした。
さらに第74回(15日放送)では、「山橋薬舗」の奥で密かに西洋料理店も営んでいることが明らかに。帰宅しないヘブンを捜しに来たトキが、夫を匿う山橋ともみ合いになり、店頭の「パイナポー(パイナップル)」で山橋を殴るというコミカルな場面も描かれた。柄本は、人気シリーズ「ベイビーわるきゅーれ」の連続ドラマ版でも髙石と共演。殺し屋同士を演じたシーンを振り返りながら、この場面で見せた髙石の機敏な身のこなしを「さすが」と絶賛した。
朝ドラ「ばけばけ」とは?
松江の没落士族の娘、小泉セツと、その夫で作家のラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルとした物語。島根や熊本などを舞台に、怪談を愛し、何気ない日常を歩んでいく夫婦の姿をフィクションとして描く。脚本は「バイプレイヤーズ」(テレビ東京)や「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」(総合)などで知られるふじきみつ彦氏。主題歌「笑ったり転んだり」をハンバート ハンバートが歌う。
柄本時生 Q&A
Q1 山橋はどのような役どころですか?
「山橋は薬舗も西洋料理店も営んでいるやり手です。やりたいことをやる、楽しいことは自分でやらなきゃ気が済まない人なのかなと思っています。台本を読んだ時にふわふわっとセリフを言う印象だったので、真面目なのか真面目じゃないんだかよくわからない、そんな風に見えればいいなと思いながらやりました。
僕自身は料理がもう全くダメで。全然得意じゃないので、調理するシーンがなくてラッキーでした。全力で料理をお届けしています(笑)」
Q2 「ばけばけ」の脚本などの印象は?
「親しみやすい脚本でかわいいなと思います。そして、大人だなとも思いますね。大人な印象に持っていくための、俳優さんたちの努力も見える作品です。台本を読んでからドラマの出来上がりを見ると、先輩方が、僕が読んでいた感覚とは違うことをされていることもあるので『ああ、なるほど!』とすごく勉強になるし、楽しいです。
美術もすてきで、山橋薬舗から西洋料理店につながる動線の作りが面白くて。隠し扉の先に長い廊下があって、その先に洋食店が広がるんですよ。狭い空間から目線が一気に広がる、あの感動は忘れられないですね」
Q3 髙石あかりさんとの共演の感想を
「あかりちゃんとの共演は二人とも暗殺者役で出演したドラマ『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』以来、2回目です。第74回で山橋がトキにパイナップルでぽかん!とやられたシーンでは、その当時つちかったであろう振り向きから撃ちのスピードの速さがさすがでしたね(笑)!
相変わらずすばらしい方で、脚本家さんが書いたセリフを高石あかり自身の人間性に近づけて言うスピードがすごく速い。自分を出しつつ、ちゃんとセリフを言うまでの速さが圧倒的ですばらしいです」
Q4 収録したなかで印象的だった場面は?
「山橋の西洋料理店でおトキさんとヘブンさんが対じする食事のシーン(第75回)は、圧倒的にすばらしいものを見させていただいたなという感じです。二人が夫婦になった後のあの悩みは、全てのご夫婦に起きる可能性のある話。それでも二人で前に進むというセリフのやりとりが10ページ以上続くのですが、それを一連で撮影したんです。あかりちゃんとトミーさんの集中力が本当にすごかったですね。それに、セリフの間がどんなに空いても、予定とちょっと違うことが起きても支え合ってお互いにカバーし合える。ずっと一緒に演じてきたからこその、その関係値にすごく感動しました。
山橋が画面に映っていない時は、舞台のそでにいる時みたいに音を立てないよう気をつけながら、じっとお二人のお芝居を見ていたのですが、生で見ていると涙が出てくるほど見事でした。そんな中、僕が演じる山橋のセリフは少なめで、ひとつでもミスったら最初からやり直し。料理を出したりするのも、プレッシャーしかなかったです(笑)」

