長濱ねる、脱“優等生”宣言 松嶋菜々子から学んだ「引き算の美学」と30代への覚悟 テレ朝「おコメの女」インタビュー

長濱ねる、脱“優等生”宣言 松嶋菜々子から学んだ「引き算の美学」と30代への覚悟 テレ朝「おコメの女」インタビュー

女優の松嶋菜々子が主演を務める連続ドラマ「おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-」(テレビ朝日系、木曜午後9時)で、長濱ねるが女優として新たな一面を見せている。東京国税局を舞台にした本作で演じているのは、優秀な頭脳を持ちながら「省エネ」を信条とする元エリート国税調査員の俵優香。毒舌でクール、それでいて人心掌握術に長けた若き逸材をテンポよく演じ上げている。(取材・文:磯部正和)

省エネの毒舌家、俵優香という「憧れ」

本作は、東京国税局内に新設されたドラマオリジナルの部署「複雑国税事案処理室」(通称ザッコク)を舞台にした社会派エンターテインメントドラマ。主人公の米田正子(松嶋)は個性的なメンバーを率い、他部署では扱いきれない富裕層や大企業の脱税、資産隠しといった不正にメスを入れていく。

優香は、卓越した心理学の知識とコミュニケーション能力を武器に、淡々と、しかし鋭く核心を突く国税調査員。これまで柔和な笑顔で周囲に癒やしを与える役柄が多かった彼女が、仕事は定時で切り上げ、趣味に生きる現代的な「省エネ」女子に挑んでいる。自身とは対極にあるようにも思える、歯に衣着せぬ物言いをするキャラクターだが、撮影が進むにつれ、そのドライな態度の裏にある「誠実さ」に惹かれていったという。

「俵優香という役は、仕事はできるけれど出世に興味がなく、庶務事務に自ら希望して異動し、省エネで生きている人間です。休みの日に楽しむ趣味や、好きなことを生きがいにして働いている人。そういった『自分の好きなことを好きだ』と強く思う姿などにはとても共感しました」

撮影が始まって2、3週間たったころから、優香という役が持つ、ズバズバと本音を相手にぶつけていく誠実さにも惹かれるようになった。

「(高橋)克実さん演じる古町豊作などに、直接『ウザっ』と言ったり(笑)。思ったことをハキハキ、ズバズバ言っていくと、『こういう人はきっと嘘がなくて信頼されるんだろうな』という新しい気づきにもなり、優香に憧れを持ちながら演じています」

自身の性格を振り返ると、対立を避けるあまり、意見を飲み込んでしまうことも多かったと話す。しかし、優香を演じたことで本音をさらけ出すことへの恐怖心が薄れ、新たな自己発見へとつながっている。

「優香には嘘がない。だからこそちょっとトゲトゲしい言葉であっても、周りの人に尊敬され、チームとして受け入れられるのかなと思います。そう思うと、自分が普段過剰に怯えているだけで、意外とはっきり自分の気持ちを言葉にすることって、案外嫌われないのかもしれないなと、優香から背中を押してもらったような気がします」

松嶋菜々子から学んだ「引き算の美学」と30代への指針

主演の松嶋とは、今回が初共演となった。幼い頃から画面越しに見てきた憧れの存在で、現場で対峙したその背中が、役者としての在り方を無言のうちに語りかけてくるという。派手なアクションで目を引くのではなく、あえて動きを削ぎ落とすことで生まれる圧倒的な引力。大先輩が見せた「引き算」の演技は、自身にとって大きな学びとなった。

「松嶋さんは本当に目が奪われるというか…。役としてそこに立たれている姿にとても目をひかれます。松嶋さんがゆっくり眼鏡を触り、クイッと上げる動作があったのですが、目を奪われてしまって。松嶋さんの『引き算することで、動いた時に際立つ』というのは、とても学びになりました」

張り詰めた現場とは裏腹に、カメラが回っていない時の松嶋は、共演者たちが思わず「悶絶(もんぜつ)」してしまうほどチャーミングだという。憧れの先輩との距離が縮まるにつれ、現場は温かな空気に包まれている。

「ご本人はとても凛とされていて、かっこいい立ち振る舞いでいらっしゃるんですが、たまに見せるチャーミングな部分にキュンとしています。現場で松嶋さんがおにぎりを握る描写があるのですが、その握ったおにぎりをこっそり持ち帰らせていただきました。すごくおいしかったです(笑)」

脱・優等生宣言、30代に向けての「自主性」

2026年の幕開けを飾る本作を経て、長濱自身もまた、大きな変革の時を迎えようとしている。20代も後半に差し掛かり、目前に迫る30代という新たなステージを見据えたとき、自分の中でこれまでとは違う役者としての欲求が芽生え始めた。それは、他人の正解をなぞるのではなく、「自分だけの色」を探し求めること。

「今までは監督が言ったことや、『作品の中で何が正しいのか』『どうしたら求められていることに応えられるのか』といった、ついつい正解探しみたいなことをしてしまっていました。でも2026年は、お芝居においてもっと自主性を持って、自分だからできることを見つけていけるといいなと思っています」

優秀な「省エネ」女子、優香を通して、本音で生きることの強さを知った今、30代という未知の領域さえも「すごく楽しみ」と言い切る。その瞳は、恐れることなく今後をしっかりと見据えている。

配信元: iza!

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