介護施設に入所したアメリカ人男性Aさんへの対応は、もっぱら翻訳アプリ頼み。そんな中、何十年も使っていない「錆びついた英語」で私が話しかけてみると……? 友人が体験談を語ってくれました。
会話は翻訳アプリで
介護士として働く私。
ある日のこと、施設にアメリカ人の高齢男性Aさんが入所してきました。
Aさんは日本暮らしが長いものの、会話は基本的に英語。
普段は職員たちが翻訳アプリを使い、スマホに向かって業務連絡のようなやり取りをしていました。
私は週2回のパート勤務ですが、学生時代、数カ月だけ留学経験があります。
あれから数十年、英語とは無縁の生活で、私の英語力は完全に錆びついていました。
勇気を出した私の“カタコト英語”
それでも、Aさんの担当になったとき、勇気を出して話しかけてみたのです。
お世辞にも上手とは言えない、カタコトの英語で。
すると、Aさんはパァっと顔を輝かせ、身を乗り出してきました。
「英語が話せるの?」と。
私が「昔、少しだけ留学していて。ほんのちょっとですけど」と伝えると、Aさんは堰を切ったように、自分がどうしてここに来たのか、家族のこと、今の気持ちを、生き生きと語り始めたのです。
「うれしい。自分の言葉で会話ができるのは、本当にうれしいよ」
満面の笑みでそう話すAさん。

