骨肉腫の診断・検査方法
骨肉腫は稀な病気であることから、実績のある医療機関でも正確に判断するには時間がかかってしまうため、早期の診断と治療が重要になってきます。骨肉腫は正確な診断のうえで、初めて正しい治療を行うことができます。
骨肉腫の疑いがある場合は、治療経験の豊富な医療機関で診断・検査を行ってもらうようにしましょう。
血液検査
血液検査は、血液に含まれている細胞・酵素・抗体の数を数値化し、病気の診断やリスクを見つけるために行われる検査方法です。骨肉腫の疑いがある場合、アルカリホスファターゼ(ALP)という酵素の値が高くなっていることがあります。
しかし、骨の成長が速い小児の場合、もともとのアルカリホスファターゼの数値が高いため、血液検査だけでは確定診断はできません。
X線検査
X線検査とは、放射線の一種であるX線を用いてがんの有無を確認するために最初に行われる検査方法です。一方向から1回だけX線を照射し、身体のなかの様子を平面上に写し出し、1枚の画像にします。
その画像をもとに判断を重ねていきますが、一方向からの撮影方法であるため臓器が重なっていたり、骨の外側に異常があったりする際は正確な判断ができない場合があります。X線検査にかかる時間は5分程度で撮影した部位をすぐに確認することができるのが特徴です。
CT検査・MRI検査
CT検査とは、がんの広がりや転移を確認するために体内の断面を画像にする検査方法です。どちらもX線を用いますが、CT検査は広範囲で体内の状態を立体的に確認することができるのが特徴です。
検査時間は10〜15分程度で終わります。しかし、検査結果が出るまでに2〜3日かかる場合があります。撮影の部位・検査項目・各病院によっても異なるので、気になる方は確認してみましょう。
骨肉腫は、腫瘍が骨からしみ出して骨の外側に塊を作るため、X線検査では見えにくいとされています。そのため、CT検査を行いさらなる詳しい診断が必要であると考えられます。
MRI検査とは磁気・電波を使用し、体内の断面を画像にする検査方法で磁気共鳴画像とも呼ばれています。問題がある部分と正常な部分の差がわかりやすく抽出されるのが特徴です。検査時間はCTと違い15〜45分と長くかかることもあります。
骨シンチグラフィ検査
骨シンチグラフィ検査とは、少量の放射線を出す物質を含んだ薬を静脈から注射し、別の骨への転移があるかどうかを調べる検査方法です。
腫瘍が発生している骨の部分に放射性物質が集まるため、がん転移を確認する場合には利用されることが多い検査です。注射をしてから3時間程度で薬が全身に浸透し、その後の撮影時間は30分程度で終了します。時間を要する検査にはなりますが、飲食の制限はありません。
病理検査
病理検査とは、病気が疑われている部分の組織や細胞を採取し、病理医が顕微鏡で観察する検査方法です。細かく観察していくことで、病態の把握・診断をすることができます。
病理検査の採取方法は病理組織検査と細胞診検査の2種類がありますが、骨肉腫の疑いがある場合は、針や手術で採取する病理組織検査が行われます。最終的には病理検査をしなければ確定診断はできないとされる程重要な検査です。
骨肉腫の症状
繰り返しになりますが、骨肉腫は10代に発症することが多いことから、成長痛の症状と似ており判断が曖昧になりがちです。放置をし続けてしまうとほかの臓器への転移も起こりやすくなるので、次のような症状に当てはまる方は迅速に医療機関の受診をしてください。
痛み
骨肉腫の好発部位が大腿骨遠位、脛骨近位、上腕骨近位であることから膝・肩周囲の痛みを感じることが多いです。初めは運動時や歩行時に感じることがありますが、次第に安静時や夜間の痛みを感じるようになる場合があります。ケガをしていない場合、数週間〜数ヵ月間痛みが続く場合は、医療機関の受診を推奨します。
腫れ
腫れも痛み同様に骨肉腫の最初の症状として現れます。腫瘍が骨の内部で増殖し、周囲の組織を圧迫することで腫れてしまうのが原因です。
稀に骨盤や背骨に発生する場合もありますが、表面から腫れがわかりにくいため診断されるまでに大きくなっていたり、麻痺が出るまで気付かなかったりすることもあります。
骨折
骨は形を維持しながらも、常に破壊と再生を繰り返しているのが特徴です。骨に異常が発生するとこのバランスが崩れてしまい、骨が硬くなってしまう骨硬化や古くなった骨が溶かされる骨吸収の現象が起きます。その結果、骨折しやすくなるといわれています。
発熱
発熱はさまざまな原因によって引き起こされる症状ですが、骨肉腫の疑いがある場合の発熱は、がんが生成する発熱物質による腫瘍熱と考えられます。がんの転移が多い場合に腫瘍熱を伴うことがあります。

