ミラノ・コルティナ五輪フィギュアスケート女子シングルが19日(日本時間20日早朝)、運命のフリーを迎える。ショートプログラム(SP)を終え、首位は17歳の中井亜美。2位には今季限りの引退を表明している日本のエース、坂本花織が1.48差でピタリとつけ、4位には千葉百音が表彰台を射程圏内に捉える。
日本勢によるメダル独占への期待が高まる一方、5位には今大会唯一の4回転ジャンプを武器とするロシア出身で個人中立選手(AIN)として出場するアデリア・ペトロシャンが控える。2010年バンクーバー五輪代表の小塚崇彦氏は、自身のSNSで得点シミュレーションを実施。「ここまでやってもわかんないね笑」と、技術点と演技構成点の激しい攻防ゆえに、誰が頂点に立つか予測不能な状況であることを明かした。この緻密な計算結果に、ネットユーザーからは”推し”への期待が入り混じり、かつてない盛り上がりを見せている。
「3Aの中井」か、「完成度の坂本」か
小塚崇彦氏がXで公開したのは、メダル争いが期待される上位選手のプログラム構成を基にした3つのシナリオだ。「シーズンベスト(SB)の技術点(TES)とSPの演技構成点(PCS)」、「SBにミスなし加算などシーズンベストのTESとPCS」、さらに全員が“神演技”を披露しPCSが跳ね上がった想定の3パターンで、それぞれの得点を試算した。
首位の中井は、フリーでも冒頭にトリプルアクセル(3回転半、3A)を組み込む。小塚氏は、この大技が成功すれば技術点でのアドバンテージは極めて大きいと評価。SPのように完璧に決めれば、さらに加点されるため「3A以上のジャンプ1発追加で、5〜6点アップぐらい」と、中井の“武器”を金メダルへのキーポイントに挙げた。一方、2位の坂本は4回転や3Aを持たない構成ながら、圧倒的なスピードと質によるGOE(出来栄え点)、そして演技構成点で悲願の金を狙う。小塚氏の試算によれば、今季最高の技術点をマークした場合、中井は228.02点、坂本は228.27点でわずか0.25点差で坂本が逆転する。
ただ、中井が3Aを決め、”神演技”を見せた場合、坂本が完璧な演技をしても約1.2点届かないと小塚氏は試算。それだけに「ここまでやってもわかんないね笑」とさじを投げ、「フリー楽しみ!!」と接戦を期待した。
5位ペトロシャン、唯一の「4回転」がすべてをなぎ倒す可能性
日本勢の表彰台独占を阻む最大の脅威は、5位のペトロシャンだ。小塚氏のシミュレーション上でも、彼女が持つ4回転トーループ(4T)の基礎点は驚異的。SPを終え、首位と約6点差ある。しかし4Tをクリーンに決めれば、日本勢がいかにノーミスで滑りきっても、高難度ジャンプの基礎点が5点以上上乗せされ、上位を飲み込む可能性を秘めている。小塚氏も「4回転入れたらの点数計算してたら、楽しくなっちゃった笑」と、逆転金の可能性を含めた展開に興奮を隠さない。
小塚氏の分析にSNSには、
「坂本の最大のライバルが中井っていうのがアツい」
「結果は神のみぞ知る」
「金メダルを取ってくれ」
「この考察だと中井亜美か坂本花織が1か2。そうならいいな」
「日本女子で独占して欲しい」
とさまざまな反応がズラリ。また、17歳の中井が優勝すれば、18日にスノーボード女子スロープスタイルで深田茉莉が記録した「日本人最年少冬季五輪金メダル(19歳48日)」を塗り替えることになるため、「中井亜美ちゃんに突っ走ってほしい」との声も目立つ。
一方で、4回転をプログラムに入れてくるか明らかになっていないペトロシャンの存在が気になる人は多く
「会心の演技が見たい」
「プログラムに4回転複数入れて全部GOE高めで成功したら…ヤバい点数になる」
「日本勢にとっては脅威」
「4回転入れてくるのかな?」
「本当に怖い」
と5位からの逆転の可能性を指摘する声も多かった。
運命の女子フリーは、日本時間の20日午前6時過ぎに最終グループの演技が開始される。

