メニエール病で薬を使うときの注意点

メニエール病の薬は長期間飲んでも大丈夫ですか?
基本的には医師の指導のもとであれば長期服用も可能ですが、漫然と続けることはおすすめできません。メニエール病は再発しやすい病気のため、ある程度の長期にわたり薬物治療を継続する場合があります。ただし、症状が安定しているのに「心配だから」と薬を漫然と飲み続けることは推奨されません。一方で、長年同じ薬を使っていて特に問題なく安定している場合は、そのまま継続することもあります。重要なのは主治医とよく相談し、定期的に治療方針を見直すことです。勝手な判断で中止すると再発のおそれがある一方、不必要な薬を飲み続けるのも避けたいところです。医師の指示に従いながら、適切な期間と量で薬を利用しましょう。
メニエール病の薬の副作用や注意点を教えてください
使用される薬の種類ごとに副作用や注意点があります。主な薬についての副作用や注意点は下記のとおりです。
薬剤の種類 注意点・副作用
浸透圧利尿薬
・吐き気、下痢、食欲不振などの消化器症状
・甘味の強いシロップで胃もたれ感が出やすい
・脱水時に服用すると症状悪化の可能性がある
・十分な水分補給が必要
・腎機能低下がある場合は慎重投与
抗めまい薬
・胃のむかつき、発疹がまれに出現
・抗コリン作用があるため、閉塞隅角緑内障、前立腺肥大に対しては投与時確認が必要
・眠気が出ることがあり運転は控える
制吐薬
・眠気が出やすい
・口や喉の渇きが起こることがある
抗不安薬
・強い眠気、ふらつきが出やすいため、運転は控える
・長期連用で依存のリスクがある
ステロイド
・糖尿病患者さんでは血糖上昇に注意
・長期使用で免疫低下、骨粗鬆症などの可能性がある
漢方薬
・胃腸不調、下痢が出ることがある
・長期内服では間質性肺炎などに注意する
以上のように、それぞれの薬で注意点は異なります。複数の薬を服用している場合、飲み合わせにも注意しましょう。ほかの病気で治療中の場合は医師に伝え、薬局でも重複や相互作用を確認してもらってください。
メニエール病の薬は妊娠中や授乳中でも服用できますか?
妊娠中あるいは授乳中のメニエール病の薬の使用は、胎児や乳児への影響を考慮し、主治医と慎重に相談する必要があります。
一般的にメニエール病の薬の多くは動物実験で明らかな胎児毒性は報告されていなくても、人での安全性データが十分でないため、必要性がリスクを上回る場合にのみ使用するという扱いです。また、授乳中は薬の移行を考慮し、一時的な授乳中止やミルクへの切り替えを検討します。
実際の臨床では、妊娠中はまず安静にするなどの非薬物療法で対応し、必要最低限の薬を使用します。吐き気には妊婦でも使える坐薬など、安全性を考慮した選択が行われます。授乳中のめまい治療では、医師が安全と判断した薬が処方されることもありますが、自己判断での市販薬の使用はやめましょう。妊娠中・授乳中に症状が出た場合は、必ず産科医や耳鼻科医に相談し、母子双方にとって適切な治療法を選んでもらいましょう。
編集部まとめ

メニエール病はつらい症状を伴いますが、多くの場合は適切な治療でコントロール可能です。発作が起きても慌てずに対処し、症状が改善しないときは早めに耳鼻咽喉科を受診してください。薬物療法と生活管理を組み合わせて、上手にメニエール病と付き合っていきましょう。
参考文献
『メニエール病』(順天堂大学医学部附属順天堂医院)
『めまい』(兵庫医科大学病院)
『めまい』(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)
『医療用医薬品 : ベタヒスチンメシル酸塩』(KEGG)
『医療用医薬品 : ジフェニドール塩酸塩』(KEGG)

