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知っておきたい!愛犬を悩ませる背中の「できもの」の正体|ゴールデン・レトリーバーに発生した「類皮腫洞」の症例報告から獣医が解説

知っておきたい!愛犬を悩ませる背中の「できもの」の正体|ゴールデン・レトリーバーに発生した「類皮腫洞」の症例報告から獣医が解説

️類皮腫洞とはどんな病気?

正面を見つめながら首を傾げる犬

類皮腫洞は、犬の皮膚に発生する先天性の奇形疾患です。見た目は、背中の正中線上にできる小さな結節(しこり)や瘻孔(小さな穴)として現れることが多いです。この瘻孔は、皮膚の表面から、深い部分では脊髄にまで繋がっていることがあります。瘻孔の内部には毛や皮脂、角質などが溜まり、感染を起こすと炎症や化膿を引き起こすことがあります。

この病気にはI型からVI型までの6つのタイプがあり、その深さによって分類されます。特に、IV型やVI型のように、瘻管が体の奥深く脊髄にまで達しているタイプでは、感染が脳や脊髄に波及して髄膜炎などを発症し、麻痺や歩行困難といった重篤な神経症状を引き起こすことがあります。

この病気の好発犬種として知られているのはローデシアン・リッジバックです。しかし、他の犬種でも報告されており、今回、ゴールデン・レトリバーの胸背部で発見された症例が報告されました。ゴールデン・レトリーバーでの発症報告は、筆者らの知る限り過去にイタリアで一例報告があるのみで、日本では初めての報告となります。

️ゴールデン・レトリーバーで発見された実際の症例

診察台の上で伏せる犬

今回報告された症例は、生後8ヶ月のゴールデン・レトリーバーの男の子です。生後2ヶ月頃から背中にできたしこりと、そこから角質のようなものが排出されることを主訴として動物病院を受診しました。初診時には、この犬は元気で、神経症状を疑わせるような様子は全くありませんでした。

しこりの中心には小さな穴(瘻孔)があり、その内部には毛が密集していました。レントゲン検査では、脊椎の構造に異常は見られませんでした。これらの所見から、獣医師は類皮腫洞を疑いました。

診断を確定するために瘻孔造影CT検査やMRI検査が提案されましたが、飼い主様との相談の結果、これらの検査は行われませんでした。代わりに、リスクを十分に説明した上で、全身麻酔下での結節と瘻管の外科的切除手術が行われることになりました。

手術から10ヶ月間経過観察が行われましたが、病変の再発はなく、犬は良好な経過をたどりました。切除された組織を病理検査した結果、類皮腫洞の特徴と一致する所見が得られ、レントゲンや臨床症状と合わせて類皮腫洞と確定診断されました。

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