栗山英樹監督が教える「失敗の正しい捉え方」

ビデオメッセージで登場した栗山さん
谷さんに続き、ビデオメッセージで登場したのは、2023年に開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表を世界一に導いた栗山英樹さん。生徒たちからのさまざまな質問に対し、栗山流の深いアドバイスが飛び出しました。
まず最初の質問は、野球部の副キャプテンを務める生徒さんから。「どうすれば後輩を引っ張っていけるか」と問われた栗山さんは、こう答えます。
「人は全員違います。無理にまとめようとするのではなく、その都度行きたい場所(目標)だけをはっきりさせる。あとは、自分がやってほしいことを自分で行動して見せること。挨拶を返してほしければ、自分から先に大きな声で挨拶する。その背中を、仲間は必ず見ています」

野球やバレーボールなど、それぞれのスポーツに打ち込む中学生から質問が続々
バレーボール部で頑張る生徒が抱える「努力しても結果が出ない」という悩み。栗山さんは自身の経験を交えて優しく語りかけました。
「実は、一番苦しいのは『他人との比較』なんです。2しか進めない自分と、10進む他人を比べてしまう。でも、ゆっくり進む人は、一つひとつを確実に自分のものにしています。今は結果が出なくても、それは畑を耕して栄養を入れている時期。後で必ず、大きな実がなると信じましょう!」

栗山さんの言葉一つひとつに熱心に耳を傾ける生徒たち
また、WBC優勝監督という華々しい活躍を成し遂げた栗山さんにも、失敗に悩むときがあったそうです。
「僕は失敗ばかりの人生でした。でも、失敗しないと、自分の何が足りないのか、どう工夫すればいいのかは分からないんです。失敗したときは『よし、チャンスだ!』と思ってください。本気で考えた失敗こそが、前進するための最大のエネルギーになります」
プロ野球選手時代はあまり活躍できず、WBCの監督も自信がなくて実は一度断ったと語った栗山さん。決して順風満帆ではなく、挫折や失敗を経験したからこその言葉には説得力があり、子育て中のパパママにも響くものがあるのではないでしょうか?
子どもたちが描く「未来へのエール」!
授業の最後には、全校生徒がそれぞれの夢や自分への応援メッセージを書いた巨大な横断幕が披露されました。
「努力の先に花が咲く」「諦めなければ夢は実る」「自分を信じて突き進もう」――色とりどりのメッセージを眺めながら、谷さんは「自分へのエールは、読むだけで周りにも力を与えますね」と微笑んでいました。
谷さんは子どもたち、そして親御さんへのメッセージでこの日の授業を締めくくりました。
「大きな夢がなくてもいい。まずは目の前にある、好きなことや得意なことを目標にしてみてください。そして、絶対に自分と他人を比べないこと。自分らしい頑張り方で、自分を好きになってあげてください」

「今の目標」や「自分への応援メッセージ」を書いた横断幕を掲げて、授業のラストを締めくくった
谷さんや栗山監督のような“超一流”と呼ばれる人たちも、失敗に落ち込み、他人と比べて焦ることがある。それでも彼らが輝いているのは、「自分との約束を守り、今日できる一歩を積み重ねてきたから」に他なりません。
私たち親ができるのは、子どもが失敗したときに「チャンスだよ!」と笑って言える強さを持つこと、そして、子どもが何か目標を見つけたときに、他人と比べずにその歩みを応援してあげること。
「こどもスマイルムーブメント」が目指す笑顔あふれる社会の第一歩は、家庭での小さな声掛けから始まるのかもしれません。
こどもスマイルムーブメント|東京都
https://kodomo-smile.metro.tokyo.lg.jp/
(取材・文:マイナビ子育て編集部)
