避妊や生理痛の軽減で注目されるミレーナ。「痛い?」「太る?」「臭う?」など不安の声をよく耳にします。今回は、副作用やメリット・デメリット、さらには費用についてまで、にへいファミリークリニック千葉の林先生に詳しく聞きしました。
※2025年10月取材。

監修医師:
林 博美(にへいファミリークリニック千葉)
東京女子医科大学医学部卒業。東京医療センター 初期臨床研修、総合母子保健センター愛育病院 産婦人科、帝京大学医学部附属溝口病院 産婦人科、国立成育医療研究センター 不妊診療科を経て現職。愛育病院 産婦人科非常勤医師。日本産科婦人科学会 専門医。
ミレーナとは? どうやって使うの?
編集部
ミレーナとは、どんなものですか?
林先生
ミレーナ(IUS)は、子宮の中に直接挿入する「子宮内黄体ホルモン放出システム」のことで、避妊目的のほか、月経過多や生理痛の治療にも使われています。装着後、微量のホルモンが子宮内に作用し、妊娠を防ぐと同時に経血量を減らす効果があります。効果は最長5年間持続し、取り外せばすぐに妊活もできます。
編集部
どのように装着するのですか?
林先生
外来で医師が子宮の奥に小さなT字型の器具を挿入します。手術ではなく、数分程度で終わる処置なので手軽です。
編集部
装着するのにおすすめの時期はありますか?
林先生
生理中や直後に治療を受けると経血によって滑りやすく、挿入が容易です。また、その時期は比較的痛みも少ないとされています。
編集部
“比較的”ということは、挿入に痛みはあるのでしょうか?
林先生
痛みの感じ方には個人差があり、一般的には生理痛のような鈍い痛みを感じる人が多いといわれています。また、出産経験がある人は比較的軽く、ない人はやや重く感じることもあります。処置後は軽い下腹部痛が出る場合もあるものの、数日から2週間で治まります。
編集部
装着後、すぐに日常生活に戻れますか?
林先生
はい、翌日までは無理をしない方がよいものの、特別な安静は必要ありません。あとは入浴、性交渉、激しい運動は数日控えるとよいとされています。また、装着後に出血が続く場合、血が出ている間は感染症のリスクがあるので、入浴や性交渉などを控えることをおすすめします。
ミレーナのメリット
編集部
ミレーナのメリットを教えてください。
林先生
一番のメリットは、使用すると経血量が減り、月経困難症や月経過多の改善が期待できるということです。ミレーナはピルのように毎日服用する必要がなく、飲み忘れる心配がありません。また、ピルには血栓症や心筋梗塞などのリスクがありますが、ミレーナにはそういったリスクが少ないのも利点の一つです。
編集部
なぜ、経血量が減るのですか?
林先生
ミレーナから放出される黄体ホルモン(レボノルゲストレル)によって子宮内膜の増殖が妨げられ、子宮内膜が薄くなるからです。結果、経血量が減少し、生理痛などの症状が軽くなります。一般にミレーナを装着した人のうち、2割くらいは生理が来なくなるといわれています。
編集部
ほかにメリットはありますか?
林先生
避妊目的でミレーナを使用する人にとっては、ピルに比べて避妊効果が高いというのもメリットになります。
編集部
装着してはいけない人はいますか?
林先生
妊娠中の人、子宮内に感染やがんがある人、原因不明の出血がある場合などは適応外です。事前に婦人科で超音波検査をおこない、子宮の状態を確認してから判断するのが一般的です。

