5日から開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で2連覇を目指す野球日本代表「侍ジャパン」は3日、強化試合で阪神を5-4で制し、大会前最後の実戦に勝利した。そんななかで注目を集めたのが、侍ジャパンメンバーが安打を放つたびに披露した「お茶点てポーズ」。2023年に社会現象となった「ペッパーミル」の再来を予想する声が、早くも広がり始めている。
“偉大な先輩”大谷翔平からの指令で考案!
この新パフォーマンスは、ドジャースの大谷翔平投手から指名された、日本ハムの北山亘基投手が発案。2日のオリックス戦では、茶器を2回右手でまわして飲み口を正面に持ってきて飲む「お茶ポーズ」としてお披露目されたが、大谷やカブスの鈴木誠也外野手から合格点が得られず、3日の阪神戦で改訂された「お茶点(た)てポーズ」が披露された。
北山によると、「お茶を点てる」という言葉に着目。お茶を点てる仕草や得点の「点」に掛けて「ダイヤモンドをかき回す」という願いが込められている。
舞台裏では、若き右腕の並々ならぬ努力があったようだ。試合後のヒーローインタビューに立った中日の高橋宏斗投手は、「昨日、北山さんが寝ずに考えているのを僕は見ていたので、『あ、なんかやってるな』と思いながら(笑)」と先輩の熱意をユーモア交じりに暴露。「まだちょっと浸透してないかなと思うので、ファンの皆さんも含めてみんなでやっていけたら」と呼びかけた。
2023年の「ペッパーミル」再現なら…応援グッズとしてのメリットも
侍ジャパンのパフォーマンスといえば、世界一となった2023年の前回大会でラーズ・ヌートバー外野手が披露した「ペッパーミルポーズ」が記憶に新しい。当時は百貨店に特設会場が設置され、家庭用のペッパーミルが各地で品薄になるほどの社会現象となった。
今回、その再来となりそうなのが、茶道で抹茶を点てる際に使用する竹製道具の茶筅(ちゃせん)だ。伝統工芸品である茶筅が思わぬ形で脚光を浴びようとしている。
さらに、今大会の球場観戦における厳重なセキュリティチェックも、このポーズが流行する後押しとなる可能性がある。現在会場では空港設置レベルの金属探知機による厳重な検査が実施されており、主催者はスムーズな入場のため、最小限の手荷物での来場を呼びかけている。金属製品の持ち込みが制限されるなか、SNSでは
「茶せん買わないといけないじゃないか!」
「茶せんなら手荷物検査に引っかからないし」
「茶せんくらいは持っていこうかな」
と、観戦スタイルに組み込もうとする“猛者”も現れ始めている。
また「ペッパーミル」ブームを知る人たちからは
「うちにいっぱいある」
「茶筅、茶碗セットが売れるかな」
「ポーズが決まって、急に売れたりするのかなー」
「ペッパーミルみたいに持ってくるファン増えそう」
と盛り上がりを見せる一方で、茶道に造詣が深い層からは、
「ペッパーミルが売れたように、今回は茶せんが売れるのか」
「お茶立て、実際は茶筅動かすの円やないんやけどな」
「茶筅は回すんじゃなくて縦に振るんだよ」
といった愛のある鋭いツッコミも相次いでいる。
抹茶は現在、米英で「Matcha」と呼ばれるように、世界各地で健康志向の高い層から絶大な支持を受けている。日本のお茶の輸出量も2025年の累計で前年比約3800トン増の1万2612トンに急増し、1954年以来、71年ぶりに年間1万トンを超えた。日本伝統の仕草が世界的なブームとリンクし、5日の開幕以降、スタンドがペッパーミルの時のように茶筅を持ったファンで埋め尽くされるのか。侍ジャパンの快進撃とともに、その光景に世界中の視線が注がれることになりそうだ。

