もしものときは? 術後トラブルの対処法について
編集部
インプラント手術後に痛みや腫れが出たときに、家庭でできる対処法を教えてください。
中山先生
術後の痛みや腫れの多くは体の自然な反応であるため、過度に心配する必要はありません。痛みが出た場合は、我慢せずに処方された痛み止めを服用しましょう。腫れは手術の翌日から翌々日をピークに、徐々に引いていきます。症状が気になる場合は、外側から水でぬらしたタオルなどを当てて冷やすと和らぎます。ただし、氷などで直接冷やし過ぎると血行が悪くなり、治りが遅くなることがあるため、注意が必要です。ちなみに、抜歯と同時にインプラントを埋め込む「抜歯即時埋入」という術式の場合は、術後の痛みや腫れがほとんど出ないケースも多く見られます。
編集部
術後、すぐに受診した方がよい症状や異常のサインはありますか?
中山先生
「数日たっても強い痛みや腫れが治まらない」「膿(うみ)が出る」「口が開きにくい」「しびれや発熱が続く」などのケースは要注意です。これらの症状が表れたら自己判断せず、早めに受診するようにしてください。当てはまらない場合でも、気になることがあれば遠慮せず歯科医師に相談しましょう。
編集部
そのほかに、「術後にこれをやってしまって大変だった」という事例があれば教えてください。
中山先生
手術後の回復を遅らせてしまう原因として多いのが、「もう大丈夫だろう」と自己判断してしまうケースです。過去に、痛みも腫れも引いたからと手術後すぐにたばこを吸ってしまった人がいましたが、たばこは血流を悪くし、せっかく治ろうとしている歯ぐきの回復を妨げてしまいます。また、歯ぐきが十分に治っていないうちに硬いナッツなどを食べて、傷口を刺激してしまった人もいました。どちらも「治りかけのタイミング」で起こりやすいトラブルです。歯ぐきを順調に回復させるためにも注意事項を守り、無理をしないことが大切です。
編集部
最後に、読者へメッセージをお願いします。
中山先生
「手術」と聞くと不安に感じる人も多いと思いますが、近年のインプラント治療は患者の負担をできるだけ少なくできるよう、手術方法が進化しています。術後の過ごし方で大事なのは、注意事項を守り、無理をせず回復を待つことです。今回紹介した注意点を守ってもらい、不安なことや気になる症状があれば、どんなささいなことでも遠慮なく担当歯科医に相談してください。
編集部まとめ
インプラント手術後も快適に過ごし、順調な回復へとつなげるためには、術後のケアが重要であることがわかりました。痛みや腫れが引いたからといって自己判断で行動すると、回復を妨げてしまうこともあるため注意が必要です。日常生活での注意点を守り、インプラント周辺を安静に保つことが、術後のトラブルを防ぎます。不安なことや普段と違う症状があれば、ためらわずに歯科医院へ連絡しましょう。

