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腟のゆるみ・乾燥はホルモンのせい?医師が教える更年期のサインと3つの治療・ケア

腟のゆるみ・乾燥はホルモンのせい?医師が教える更年期のサインと3つの治療・ケア

出産や更年期を迎えると、腟の乾燥やゆるみ、尿漏れなど、身体の変化を感じる方が増えてきます。こうした変化はホルモンバランスの影響を受けており、適切なケアによって改善が期待できる場合もあります。本記事では、産後と更年期における身体の仕組み、骨盤底筋トレーニングや医療機関での治療、さらにフェムケア製品の種類と選び方について解説します。自分の状態に合ったケアを知ることで、生活の質を保つ助けとなるでしょう。

馬場 敦志

監修医師:
馬場 敦志(宮の沢スマイルレディースクリニック)

筑波大学医学群医学類卒業 。その後、北海道内の病院に勤務。 2021年、北海道札幌市に「宮の沢スマイルレディースクリニック」を開院。 日本産科婦人科学会専門医。日本内視鏡外科学会、日本産科婦人科内視鏡学会の各会員。

産後・更年期における身体の変化

女性の身体は、妊娠・出産や更年期を迎えることで大きく変化します。特に腟の乾燥やゆるみは、多くの女性が経験する悩みでありながら、相談しにくい問題として捉えられがちです。これらの変化は、性生活の質の低下や、尿漏れなどの問題にもつながることがあるため、適切な知識と対処が必要です。

産後の身体の変化

出産時、赤ちゃんが産道を通る際に、骨盤底筋や腟壁が伸展します。この際、筋肉や組織にダメージが生じることがあり、産後に腟のゆるみを感じる方は少なくありません。また、骨盤底筋が弱まることで、尿漏れや臓器脱(子宮や膀胱が下がってくる状態)のリスクも高まります。

授乳期間中は、プロラクチンというホルモンの影響でエストロゲンの分泌が抑制されます。エストロゲンは腟の潤いを保つ働きがあるため、授乳中は腟が乾燥しやすくなります。この乾燥は、性交痛の原因となることがあり、パートナーとの関係に影響を及ぼすこともあるでしょう。産後の身体の回復には個人差がありますが、適切なケアを行うことで、これらの症状を改善することが可能です。

更年期の変化とメカニズム

更年期は、閉経前後の約10年間を指し、一般的には45歳から55歳頃とされています。この時期には、卵巣機能が低下し、エストロゲンの分泌が急激に減少します。エストロゲンは、腟の粘膜を健康に保つ働きがあるため、その減少により腟の乾燥や萎縮が起こります。

腟の萎縮は、粘膜が薄くなり、弾力性が失われ、分泌物が減少する状態です。これにより、性交痛やかゆみ、灼熱感などの症状が現れることがあります。また、腟の自浄作用が低下するため、感染症にかかりやすくなることもあります。さらに、尿道も同様にエストロゲンの影響を受けるため、頻尿や尿漏れなどの泌尿器症状が現れることもあるでしょう。

更年期の症状は、ホットフラッシュ(ほてり)、発汗、イライラ、不眠など多岐にわたりますが、腟の乾燥やゆるみも重要な症状の一つです。これらの症状は、生活の質を大きく低下させる可能性があるため、適切な治療を受けることが推奨されます。

腟の乾燥やゆるみへの対策

腟の乾燥やゆるみに対しては、セルフケアから医療機関での治療まで、さまざまな対策があります。症状の程度や原因に応じて、適切な方法を選択することが大切です。早めに対処することで、症状の悪化を防ぎ、生活の質を維持することができます。また、パートナーとのコミュニケーションも重要で、悩みを共有し、一緒に解決策を考えることが推奨されます。

骨盤底筋トレーニング

骨盤底筋トレーニング、いわゆるケーゲル体操は、骨盤底筋を強化するための運動です。骨盤底筋は、骨盤の底にあり、膀胱、子宮、直腸を支える筋肉群です。この筋肉を鍛えることで、腟のゆるみや尿漏れの改善が期待できます。

基本的なトレーニング方法は、腟や肛門を締めるように力を入れ、5秒間保持した後、リラックスするという動作を繰り返します。1日に10回を3セット行うことが推奨されますが、無理のない範囲で続けることが大切です。座った状態でも立った状態でも行うことができ、場所を選ばないため、日常生活に取り入れやすい運動です。

トレーニングの効果を実感するには、数週間から数ヶ月かかることがあります。継続することが重要で、習慣化することで効果が得られやすくなります。正しい方法がわからない場合は、理学療法士や専門の医師の指導を受けることも一つの方法です。

医療機関での治療オプション

腟の乾燥に対しては、保湿剤や潤滑剤の使用が有効です。腟用の保湿剤は、定期的に使用することで、腟の潤いを保ち、不快感を軽減する効果があります。性交時には、潤滑剤を使用することで、摩擦を減らし、痛みを軽減することができます。

ホルモン補充療法(HRT)は、更年期の症状に対する治療法の一つです。エストロゲンを補充することで、腟の乾燥や萎縮を改善し、ほかの更年期症状も軽減する効果があります。全身投与のほか、腟に直接塗布する局所投与の方法もあります。局所投与は、全身への影響が少ないため、副作用のリスクが低いとされています。

ただし、HRTには乳がんや血栓症などのリスクがあるため、医師との十分な相談のうえで、適応を判断する必要があります。定期的な検査を受けながら治療を続けることが推奨されます。また、レーザー治療や高周波治療など、腟の粘膜を活性化させる治療法も登場しています。これらの治療は、自由診療となることが多く、費用や効果については医療機関に確認することが大切です。

配信元: Medical DOC

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