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無症状でも要注意?医師が教える「急性大動脈解離」を防ぐ定期検査と血圧管理のコツ

無症状でも要注意?医師が教える「急性大動脈解離」を防ぐ定期検査と血圧管理のコツ

外科手術による治療の実際

急性大動脈解離において外科手術が必要となる場合、専門的な技術を要する複雑な手術が行われます。手術の内容は解離の部位や範囲によって異なります。

上行大動脈の人工血管置換術

Stanford A型の急性大動脈解離では、解離した上行大動脈を人工血管に置き換える手術が標準的な治療です。この手術では、心臓の拍動を一時的に止め、人工心肺装置を使用しながら行われます。解離した部分の大動脈を切除し、代わりに人工血管を縫合して血流を再建します。高度な技術と経験を要する手術であり、専門施設での実施が望ましいといえます。
手術時間は通常6時間から10時間程度で、全身麻酔下で行われます。大動脈弁に異常がある場合には、同時に弁の修復や置換も行われることがあります。また、解離が大動脈弓や脳に向かう血管に及んでいる場合には、手術がさらに複雑になり、脳保護のための特殊な手技が用いられます。手術の範囲や難易度は、個々の患者さんの状態により大きく異なります。
術後は集中治療室での管理が必要で、呼吸や循環の状態を注意深く観察します。順調に経過すれば、数日後に一般病棟に移り、リハビリテーションを開始します。退院までには通常2週間から4週間程度を要します。

下行大動脈の治療選択肢

Stanford B型の解離で手術が必要な場合、下行大動脈に対する治療が行われます。近年では、開胸手術だけでなく、血管内治療という低侵襲な方法も選択肢となっています。血管内治療では、足の付け根の血管からカテーテルを挿入し、ステントグラフトと呼ばれる人工血管を解離部位に留置します。開胸手術と比べて、身体への負担を軽減できる可能性があります。
ステントグラフトは、解離の入口となる内膜の亀裂を塞ぐことで、偽腔への血流を遮断し、解離の進行を抑えます。開胸手術と比べて身体への負担が少なく、回復も早いという利点があります。ただし、すべての患者さんに適用できるわけではなく、血管の形態や解離の状態によっては開胸手術が選択されることもあります。治療法の選択は、個別の状況を慎重に評価して決定されます。
どちらの治療法を選択するかは、患者さんの年齢、全身状態、解離の形態などを総合的に評価して決定されます。いずれの治療も専門的な技術を要するため、豊富な経験を持つ施設で行われることが望ましいといえます。

まとめ

急性大動脈解離は、大動脈の壁が裂けることで生じる緊急性の高い疾患です。発症すると短時間で生命に危険が及ぶため、早期診断と適切な治療が極めて重要です。高血圧や動脈硬化、遺伝性疾患などがリスク因子となり、特に高血圧を持つ高齢の男性で注意が必要です。突然の激しい胸痛や背部痛が現れた場合には、すぐに救急車を呼ぶことが求められます。
治療後も血圧管理と定期的な検査が不可欠です。降圧薬の確実な服用、禁煙、塩分制限、適正体重の維持など、生活習慣の改善が再発予防の基本となります。また、定期的な画像検査により大動脈の状態を監視し、異常があれば早期に対応することが重要です。リスク因子を持つ方は、生活習慣の改善と定期受診により、発症予防に努めましょう。

参考文献

日本循環器学会「循環器病ガイドラインシリーズ」

日本循環器学会「大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン」

配信元: Medical DOC

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