ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)C組を1位通過した日本代表の侍ジャパンは11日未明に羽田空港から、準々決勝が行われる米・マイアミに出発した。1次リーグを4戦全勝と圧倒的な強さを発揮する中で、3試合に先発出場した近藤健介外野手(32)=ソフトバンク=が、苦しんでいる。
高橋由伸氏が語る「2番・近藤」の重要性
近藤は、6日の台湾戦に大谷翔平投手(31)=ドジャース=に次ぐ、「2番・右翼」で先発出場。しかし結果を残せず、8日のオーストラリア戦では、「3番・右翼」へ打順が変更されたが、3試合を終えて12打数無安打。疲労を考慮し、10日のチェコ戦は出場せず休養となった。同日、米配信大手NetFlix(ネットフリックス)の「2026ワールド・ベースボール・クラシック:日本対チェコ」のプレゲームショーに生出演した元巨人監督の高橋由伸氏は、近藤について「大谷(翔平)選手の後ろを任せるのに一番信頼できる選手だと思っていた」とつなぎ役として適任だったと解説。「プレッシャーもあるとは思いますけど、実績のある選手。彼が打たないと打線のつながりという点では、苦しい戦いになった時に、近藤選手が必要となると思います」と、復調を期待した。
鈴木誠也が明かす「大谷翔平の後を打つ」難しさ
オーストラリア戦で近藤に代わって、2番に入った鈴木誠也外野手(32)=カブス=は大谷の後を打つ難しさについて、申告敬遠された場合、準備を整える前に打順が回ってくるケースがあり「(早めに)イメージを作っていかないと、いい結果が望めない」と話した。実際に、試合でも八回に大谷が申告敬遠されたときには、打席を外して頭を整理する時間を作ったという。
ただ、WBCで優勝した日本代表では、1次リーグで不振だった選手が、準決勝、決勝の大一番で殊勲の一打を打ち、世界一に導く法則がある。
06年の第1回大会は、不振でスタメンを外れた福留孝介外野手が、準決勝の韓国戦で代打決勝2ランを放った。当時、「生き返れ福留」という実況は有名になった。
09年の第2回大会は、イチロー外野手が準決勝まで38打数8安打(打率2割1分1厘)と苦戦。しかし韓国との決勝では、延長十回に決勝2点適時打を放った。
前回大会の23年も、不振にあえいだ村上宗隆外野手(26)=当時ヤクルト、現ホワイトソックス=が、1次リーグは4番を任されたが、準々決勝からは5番に降格。そして迎えた準決勝では九回に無死一、二塁で打席に入ると、フェンス直撃の逆転サヨナラ二塁打を放った。
3人と近藤の共通点は、WBCで不振に苦しんだだけではない。全員首位打者のタイトルを獲得した安打製造機でもある。さらに左打者という点も同じで、球界屈指の「卓越した打撃術、選球眼を持つ世代を代表するバッダー」だ。
準々決勝以降は負けたら終わりのトーナメント方式。近藤の復活が、日本の連覇のカギを握っている。

