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「ぎっくり腰」を発症したら「温める?」「冷やす?」どちらがいいの?【医師監修】

「ぎっくり腰」を発症したら「温める?」「冷やす?」どちらがいいの?【医師監修】

ぎっくり腰になったとき、「温めた方がよいのか」「冷やした方がよいのか」で迷う方は少なくありません。実際には、どちらが適切かは症状の出方や発症からの経過によって異なり、誤った対処をすると痛みが長引くこともあります。

本記事では、ぎっくり腰の痛みに対して温める・冷やすをどのように使い分けるべきかを整理したうえで、市販薬の使い方や痛みが強いときの対処法、回復を早めるための過ごし方を解説します。

林 良典

監修医師:
林 良典(医師)

【出身大学】
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医、禁煙サポーター
【診療科目】
総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科

ぎっくり腰|温める、冷やすのいずれが適切か

ぎっくり腰|温める、冷やすのいずれが適切か

ぎっくり腰を温めると症状は緩和しますか?

ぎっくり腰の症状が落ち着いてきた段階では、腰を温めることで筋肉の緊張が和らぎ、血流が改善し、結果として痛みが軽減することがあります。特に、強い痛みが一段落し、動かした際のこわばりや張りが主な症状となっている場合には、温めることで楽になるケースもみられます。

ただし、腰痛に対する温熱治療を強く推奨できるエビデンスは現時点では十分に確立されていません。

研究によっては、急性または亜急性腰痛で短期間の痛みや日常生活動作の障害を軽減する可能性が示唆されていますが、効果を明確に裏付けるにはさらなる質の高い研究が必要とされています。

また、発症直後で炎症が強いと考えられる時期に温めると、かえって痛みが増す場合もあります。

ぎっくり腰を冷やすとどうなりますか?

ぎっくり腰の発症直後や、強い痛みや熱感、腫れを伴う場合には、冷やすことで炎症反応が一時的に抑えられ、痛みが和らぐことがあります。

一方で、冷却も明確に優位性が示されているわけではなく、冷やしすぎることで筋肉が硬くなり、血流が低下して回復を妨げる可能性もあるため、少なくとも長時間の冷却は避けることが大切です。

温めることと冷やすことのどちらがよいのですか?

温めるか冷やすかは、ぎっくり腰の発症時期や症状の状態に応じて使い分けるとよいでしょう。

発症直後で強い痛みや熱感がある場合には冷却によって痛みが落ち着き、筋肉のこわばりや動かしにくさが主な症状となってきた段階では、温めることで症状が和らぐことがあります。

ただし、温熱・冷却いずれの方法も効果には個人差があり、万能な治療法ではありません。温めても冷やしても痛みが強まる場合には、自己判断で続けず、医療機関を受診しましょう。

参照:
『緊急度判定プロトコルVer.1電話相談』(消防庁)
『腰痛診療ガイドライン2019』(日本整形外科学会)

ぎっくり腰の痛みに対する適切な対処法

ぎっくり腰の痛みに対する適切な対処法

ぎっくり腰の痛みは市販の痛み止めで緩和できますか?

ぎっくり腰の痛みは、市販の痛み止めを使用することで、一時的に緩和できる場合があります。特に、炎症や痛みを抑える作用をもつ解熱鎮痛薬は、強い痛みで動きにくいときの対処として用いられることがあります。

市販薬として一般的に使用される成分には、アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)があります。

アセトアミノフェンは、痛みを抑える作用を持ちつつ胃への負担が少なく、幅広い方が使用しやすい成分です。一方、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)にはイブプロフェンやロキソプロフェンなどがあり、炎症を抑える作用があるため、急性期の強い痛みに用いられることがあります。

ただし、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は胃腸障害が生じることがあるため、胃腸が弱い方や持病のある方は注意が必要です。

なお、市販薬はぎっくり腰の原因そのものを治すものではありません。

痛みが強いときの対処法を教えてください。

痛みが強いときは、まず腰にかかる負担を減らすことを優先します。無理に動かそうとせず、楽な姿勢を探して安静に過ごしてください。

発症直後で熱感や強い痛みがある場合は、短時間冷やすことで痛みが和らぐことがあります。痛みが少し落ち着いてきたら、ゆっくりとした動作を心がけることが重要です。

ぎっくり腰の痛みが強いときは何もしない方がよいですか?

強い痛みがある間は無理な動作を避ける必要がありますが、完全に安静にして動かない状態を続けることが回復につながるとは限りません。

急性腰痛に対する運動療法の研究では、特別な運動や体操を行っても、無治療やほかの保存的治療と比べて疼痛や機能障害の改善に明確な差は認められていません。

また、腰痛体操と通常の生活を比較した報告では、急性期の腰痛体操の有効性は示されず、可能な範囲で日常生活を継続することが、現時点で唯一有益と考えられる対応とされています。

そのため、痛みが強い時期には無理に運動を行う必要はありませんが、長時間同じ姿勢で動かずにいることも避けることが望まれます。痛みが許す範囲で姿勢を変える、立ち上がる・歩くといった動作をゆっくり行うなど、腰に過度な負担をかけない範囲で身体を動かすことが重要です。

痛みが強い状態が続く場合や、日常生活に大きな支障が出ている場合には、自己判断で対処を続けず、早めに医療機関を受診することが大切です。

参照:『腰痛診療ガイドライン2019』(日本整形外科学会)

配信元: Medical DOC

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