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近年「乳がん」を発症する人が増えている『年代』をご存じですか? 医師が詳しく解説

近年「乳がん」を発症する人が増えている『年代』をご存じですか? 医師が詳しく解説

乳がんは「年齢が上がってからの病気」と思っていませんか? じつは20代・30代でも発症することがあります。若いうちから知っておきたいリスクと対策について、ピンクリボンブレストケアクリニック表参道の島田先生に聞きました。

※2025年10月取材。

≫【1分動画でわかる】乳がんを発症する人が増えている年代 島田 菜穂子

監修医師:
島田 菜穂子(ピンクリボンブレストケアクリニック表参道)

筑波大学医学専門学群卒業。筑波大学附属病院、東京逓信病院放射線科で、乳腺外来を開設。1998年アメリカワシントン大学ブレストヘルスセンター勤務、2005年イーク丸の内副院長を経て、2008年にピンクリボンブレストケアクリニック表参道を開設。診療の傍ら、乳がん啓発や診療環境の改善を目指し、2000年に認定NPO法人乳房健康研究会を発足し、日本でピンクリボン活動を始動。ピンクリボンウオークの開催、講演、出版、ピンクリボンアドバイザーの教育などをおこなっている。日本医学放射線学会放射線専門医、日本乳癌学会乳腺専門医、日本がん検診・診断学会認定医、認定スポーツドクター、認定産業医、サウナスパ健康アドバイザーなどの資格を有する。東京2020オリンピックでは聖火ランナーも務めた。

乳がんはどの年代に多いのか?

乳がんはどの年代に多いのか?

編集部

乳がんはどの年代に多い病気ですか?

島田先生

日本では、乳がんの発症が最も多いのは40〜50代です。特に40代後半は発症のピークで、乳がんになる危険性は30代半ばから40代にかけて急増します。

編集部

60代や70代は乳がんのリスクが少ないのですか?

島田先生

いいえ、じつは近年、年代の高い人で乳がんを発症する人が増えています。以前は40代後半に発症のピークを迎えたあと、発症率は年齢とともに下がっていました。しかし、現在は発症率が下がらず高い状態が続いていて、60代で2回目のピークを迎えています。つまり、30〜70代後半くらいまでの長い間、乳がんのリスクがあるということです。

編集部

20代や30代で乳がんを発症することは珍しいのですか?

島田先生

40代以降に比べると発症される人は少ないのですが、近年では20〜30代の発症も少しずつ増えています。特に若い人は検診を定期的に受けているケースが少なかったり、乳腺の密度が濃いため検査画像で病変が隠れてしまったりするため、進行してから気づくケースも少なくありません。

編集部

若い人の乳がんは特徴があるのでしょうか?

島田先生

若い年代で発症する乳がんは、血縁に乳がんの人が多いなど、遺伝的な要因が関わっているケースが多く見られます。乳がんにはいくつかの種類がありますが、特に遺伝子の異常を伴う乳がんの人に多いのが「トリプルネガティブ乳がん」です。このタイプは進行が速く、早期に発見して治療することが重要です。

編集部

自覚症状はあるのですか?

島田先生

しこりや乳頭からの分泌物、乳房の形の変化などが見られることもありますが、初めのうちは症状がないケースも少なくありません。そのため、普段から自分の乳房の状態を把握するためにセルフチェックをおこない、何か変化を感じたら「気のせい」と放置せず、早めに乳腺外科に受診しましょう。

若年層でも乳がんになるのはなぜですか?

若年層でも乳がんになるのはなぜですか?

編集部

若年層の乳がんは、遺伝が関係することが多いのですね。

島田先生

はい。母親や姉妹など、血縁者に乳がんや卵巣がんの既往がある場合、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC ※)の可能性があります。母親や姉妹に限らず、父方・母方のいずれの血縁者にも乳がんを発症した人がいる場合は、早めに検診を受けることをおすすめします。

※ 遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)は、生まれつき特定の遺伝子(主にBRCA1またはBRCA2)に変化があることで、乳がんや卵巣がんを発症するリスクが通常より高くなる体質

編集部

女性の血縁者に乳がんや卵巣がんの経験者がいたら要注意ですね。

島田先生

それだけでなく、BRCA2遺伝子変異がある家系では、男性の前立腺がんや大腸がん、膵臓がんを若年で発症する傾向があり、このような人が血縁者に多い場合も注意が必要です。特にBRCA遺伝子の変異による乳がんは、通常より若い年代で発症する傾向があるため、早めに検診を受けることをおすすめします。検診開始の目安は、血縁者の発症年齢より10歳若い年齢です。

編集部

遺伝以外に、乳がんの原因には何がありますか?

島田先生

現在、乳がんの発症原因ははっきり分かっていませんが、一般的に乳がんは女性ホルモンの影響や遺伝的要因、生活習慣などが複雑に関わって発症するといわれています。特に初潮が早い人や出産経験のない人、夜勤などで生活リズムが乱れがちな人はリスクが高い傾向にあります。

編集部

生活習慣も乳がんの発症に影響しますか?

島田先生

影響があると考えられています。脂質の多い食事、過度の飲酒、喫煙、閉経後の肥満や脂質異常症、運動不足、ストレス、睡眠不足などはホルモンバランスを乱し、乳がんリスクを高める要因となります。規則正しい生活を心がけ、特に閉経後は体重管理が予防の基本です。

編集部

妊娠・出産は乳がんと関係がありますか?

島田先生

一般に、初産の年齢が高いことや、出産や授乳の経験がない人は、乳がんの発症リスクがやや上がることが分かっています。ただし、これはあくまでも統計上の話です。妊娠や出産経験がない人が必ず乳がんになるわけではありませんし、妊娠や出産の経験があれば乳がんにならないというわけでもありません。誰でも乳がんになりうるという意識を持って、自分でセルフチェックをおこない、定期的な検診を受けること、そして変化に気づいたらすぐに受診すること、乳房を意識する生活(ブレスト・アウェアネス)がとても大切です。

配信元: Medical DOC

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