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近年「乳がん」を発症する人が増えている『年代』をご存じですか? 医師が詳しく解説

近年「乳がん」を発症する人が増えている『年代』をご存じですか? 医師が詳しく解説

乳がんを予防するため、20代・30代が知っておくべきこと

乳がんを予防するため、20代・30代が知っておくべきこと

編集部

20代・30代でも検診を受けたほうがよいですか?

島田先生

現在、日本における自治体の乳がん検診は平均リスクの人を基準にガイドラインが制定されており、40歳以上の人を対象に、2年に1度のペースで実施されています。精度の高い検診が実施されていますが、若い人やハイリスクの人、乳腺が発達している人(高濃度乳房)にとっては、検診開始年齢や検診間隔、おこなう検査内容が必ずしも十分とは言えません。乳がんの発症を確実に予防する方法は今のところありませんが、早く発見することで大切な乳房も命も守ることができます。そのためには、自覚症状がないうちから定期的に検診を受け、早期発見を心がけることが大切です。特に家族に乳がんの既往がある人は、自治体からの検診案内を待たずに、若い年代から自ら乳腺専門クリニックなどで検診を始めることをおすすめします。

編集部

「家族に乳がんの既往がある」以外で、特に検診を受けた方がよい人は?

島田先生

避妊や生理不順、PMS(月経前症候群)、子宮内膜症の治療、不妊治療、更年期障害の治療などでピルなどの女性ホルモン剤を長く使っている人は、乳がんを発症するリスクが高くなるとされています。また、乳がんの80%は女性ホルモンが進行を促すタイプであり、乳がんに気づかない状態で女性ホルモン剤を使用してしまうと、がんを進行させてしまう可能性があります。そのため、女性ホルモン剤をこれから使用する人は、必ず治療前に乳がん検診を受け、乳房に異常がないことを確認してから治療を開始しましょう。これらの薬剤を使っている間も、また、長期間使用していた人も、ぜひ検診を継続してほしいと思います。

編集部

その際にはどの検査を受けたらよいでしょうか?

島田先生

20〜30代では乳腺が発達しているため、マンモグラフィよりも超音波検査(エコー)の方がより小さなしこりを検出しやすい場合があります。ただし、石灰化という微細なカルシウムの沈着がしこりの発生に先行して起きる乳がんもあり、この石灰化は超音波検査やMRI検査などでは発見できず、マンモグラフィ検査でないと検出できません。したがって、症状があるときや初回の検診では、乳腺専門クリニックなどでマンモグラフィ検査とエコーの両方を受けることをおすすめします。その結果を基に、自分に適した検査や頻度を乳房の主治医と相談しながら決め、その後はその方針に沿って無理なく継続するようにしましょう。

編集部

そのほか、乳がんを予防するために日常的にできることはありますか?

島田先生

乳がんの早期発見には、日常的なセルフチェックが欠かせません。セルフチェックは異常や病気を発見するためだけではなく、普段の状態を知り、「何か変わったことはないかな?」と気づくためにおこなうものです。セルフチェックを続けるには、日頃から無理なく自分の乳房を意識できる習慣をつくることが大切です。「シャワータイムには乳房を手で洗う」「風呂上りに乳房にボディクリームを塗る」など、毎日の動作のなかに取り入れておくと、何気ないタイミングの中でも、異変に気づきやすくなります。

編集部

そのほか、日常的にできる予防策はありますか?

島田先生

バランスのよい食事、適度な運動、十分な睡眠が基本です。過度な飲酒や喫煙を避け、ストレスを溜めない生活を心がけましょう。また、女性ホルモン剤を使用するときは使用開始前・使用中・使用後のいずれも、必ず定期的に検診を受けるようにしましょう。

編集部

乳がんと向き合うために大切な考え方を教えてください。

島田先生

「自分は大丈夫」ではなく、「誰にでも起こり得る病気」と意識することが大切です。早期発見であれば、治療にかかるお金や時間も少なく、体への負担も小さくできるため、将来の妊娠や仕事への影響も最小限にできます。乳房を意識する生活習慣(ブレスト・アウェアネス)を心がけ、定期的な検診と日々のセルフチェックを続けることが、自分の未来を守る行動につながります。

編集部

最後に、メディカルドック読者へのメッセージがあれば。

島田先生

乳がん検診を受けない理由として、「症状がない」「時間がない」「費用がかかる」といった声をよく耳にします。しかし、進行した乳がんの治療には非常に多くの時間とお金がかかります。検診にかける時間と費用は、将来の負担を減らすための大切な投資です。乳がんはサブタイプと呼ばれる性質の違いによって治療方法や進行スピードが異なりますが、どのタイプであっても共通して言えるのは、早期に発見できれば、たとえ進行が速いとされるタイプでも高額な薬物治療を回避し、治療にかかる時間も短くできるということです。命を守るだけでなく、キャリアや出産、趣味など、自分が望む将来のライフスタイルを諦めずに済みます。ぜひ、積極的に乳がん検診を受けてほしいと思います。それからもう一つ、乳がんのリスクを低減するには運動習慣も重要です。研究により、週1時間のランニングや週2時間のウォーキングなど、7メッツ程度の運動(安静時の7倍のエネルギーを消費する高い強度の身体活動・運動)で乳がんの発症リスクが約25%低減することが科学的に証明されています。しかも発症だけでなく、再発のリスクも軽減してくれます。「忙しくて運動の時間が取れない」という場合には、通勤時に少し回り道をしたり、大股で速足で歩いたりといった、日常の中で工夫するだけでも運動効果は上がります。ぜひ、自分に無理のない方法で運動習慣を取り入れてほしいと思います。

編集部まとめ

特に近年では、若くして乳がんを発症する人が増えていることもあり、「若いから大丈夫」という油断は禁物です。早期に発見できれば治療もスムーズに進めることができますし、その後の人生を有意義に過ごすこともできます。まずは自分のリスクを正しく見極め、必要に応じて検査を受けるようにしましょう。

配信元: Medical DOC

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