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理系出身の企業法務弁護士が挑んだ「人質司法」と「冤罪」 大川原化工機事件、高田剛弁護士

理系出身の企業法務弁護士が挑んだ「人質司法」と「冤罪」 大川原化工機事件、高田剛弁護士

●「この人のために」を貫き、偉業成し遂げる

「弁護士になって、本当によかった」。表彰式のスピーチで、かみしめるように語った高田氏。会場の後方には、スポットライトを見つめる大川原社長がいた。息子の晴れ舞台を見る父親のように、スマートフォンを高く掲げて写真を撮っていた。ここまで他人の人生にどっぷり関わり、信頼関係をつくれる職業は弁護士のほかにないかもしれない。

高校生の時の入院がきっかけで薬学部に入ったが、大学院に進学する前の春休みに出来心で法学をかじったことが転機となった。進むべき道が決まっていることに窮屈さを感じ、予備校の基礎講座に通ってみた。弁護士と検察官の違いも知らなかった理系青年は、民法に一番はまった。解釈によって私的な利益を調整するのが心地よかったといい、「絶対的な解答ではなく、自分で解をつくる面白さ」にのめり込み、2年休学して弁護士になった。

そして、歴史に残る大事件に挑んだのは弁護士人生20年ほどのころ。「自分にとってもチャレンジング。無罪判決なんて取ったことない。刑事に強いから話がきたわけではなく、社長との昔からのつながりで依頼された。その期待に応えたかった」。

法学部出身ではない自分には、そもそもブランドや人脈がなかったと語る高田氏。縁あって出会った人のために、魂を込めた仕事をしたい。教えを請うてきた先輩、刺激を与えてくれた同僚、支えてくれた弁護団の仲間、人生を後押ししてくれた家族。彼らがいて、今の自分がある。「心の中から共鳴できる、この人を助けたい。そういうのが好きなんですよね」。“ブラックジャック”を突き動かすものは、純粋な思いだけだ。

【プロフィール】
たかだ・つよし 東京大学薬学部卒。2000年に弁護士登録。2016年に和田倉門法律事務所を設立。コーポレートガバナンス、会社訴訟、不正調査、税務争訟などを主に手掛ける。複数の上場企業で社外役員を歴任。大川原化工機冤罪事件では刑事事件の弁護人、国賠訴訟の会社側代理人を務め、捜査機関の問題を追及。「人質司法」問題にも切り込み、自身のSNSやメディア等を通じて積極的に発信している。

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