しこりが大きくなってきた…、どうやって対応するの?
編集部
処置とは、具体的にどんなことをするのですか?
榎本先生
いくつかの選択肢があります。液体がたまる「のう胞」であれば、針を刺して内容液を抜く穿刺排液をおこないます。再発する場合は、エタノールを注入して再燃を防ぐPEIT(ペイト)という方法を用います。いずれも外来での処置が可能で、入院する必要はありませんが、PEITの場合はアルコールを注入するので処置当日の運転はできません。また自由診療にはなりますが、細い針状の電極を甲状腺腫に刺し、ラジオ波を流して熱で縮小させる治療(RFA)もおこなわれます。
編集部
手術についても教えてください。
榎本先生
腫瘍自体が大きくなってきた場合や悪性が疑われる場合には、手術で一部または全部を切除することがあります。手術は、通常の切開手術以外に内視鏡手術でもおこなうことが可能ですが、3〜5日の入院が必要です。加えて、切除によって甲状腺が小さくなるため、手術後に甲状腺ホルモンを生涯内服する可能性が知られています。
編集部
甲状腺のしこりは再発することもありますか?
榎本先生
良性腫瘍を完全に摘出すれば再発はほとんどありません。ただし、ほかの部分に新しいしこりができることがあります。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
榎本先生
首元の“しこり”を見つけた場合、甲状腺腫の可能性があります。多くは心配のないしこりですが、ときに悪さをします。しこりは放置せずに、まずはお近くの専門医で相談してください。
編集部まとめ
甲状腺の良性腫瘍は多くが無症状で進行もゆるやかですが、まれに大きくなって呼吸に影響を与えたり、がん化したりする場合もあります。痛みがないからといって放置せず、超音波検査や細胞診などで状態を確認することが大切なので、早めに甲状腺専門医や内分泌外科(旧・甲状腺外科)の専門医の診察を受けましょう。
参考文献
甲状腺腫瘍診療ガイドライン 2024(一般社団法人 日本内分泌外科学会)
甲状腺腫瘍(良性・悪性)(一般社団法人 日本内分泌学会)

