脳トレ四択クイズ | Merkystyle

「前肢一撃で顔面がえぐられる」ツキノワグマの重傷化率が示す現実。生成AI動画が招いた命に関わる誤解に専門家が警鐘

■クマを撮らないで!

ーークマが出没する地域では、通学路や学校で子どもたちがクマと出くわすリスクもあります。クマと遭遇したとき、私たちはどうすればいいのでしょうか。

小池 静かに距離を取り、建物や車へ退避します。①走らない、②叫ばない、③撮影しない、を徹底してほしいです。走ることによってクマがパニックになって追いかけてくる危険性があります。
昨年の騒動で非常に驚いたのが、クマの至近距離に立ってスマホで動画や写真を撮影することが横行していたことでした。これではクマが「なんだ、人は何もしてこないから大丈夫だな」と学んでしまう懸念があります。クマを見かけたらとにかく静かに立ち去ることです。

ーー情報収集の方法についても教えてください。

小池 自治体の目撃情報マップや出没速報は、日常的に確認してほしいです。特に「普段は出ない場所に出た」という情報は要注意。 加えて、地域で“冬の振り返り会”をおすすめします。「どこで、何が誘因になり、どんな導線で来たか」を洗い出し、優先順位を決めて夏までに対策したほうがいいですよね。

ーー先ほど「本当のクマとは何か」が知られていないというお話がありましたが、童話や童謡に出てくるクマさんや、可愛らしいキャラクターとしてのクマはすごく人気があって親しみを持たれていますが、現実にすぐそこで暮らしている野生動物だという認識が薄くなりすぎていたかもしれません。そのことを改めて昨年は思い知らされました。

小池 はい、多くの人は「クマ」という動物に親しみを持っていたと思います。しかし、そこに昨年のようなセンセーショナルな騒動が巻き起こると、特にネット上では「可愛いクマを殺してはいけない」「凶暴な人食いグマは殺すべき」みたいな極端なイメージでの議論になってしまうのだと感じました。錯綜する情報に躍らされず、現実的な捉え方をしていきたいですね。

『クマは都心に現れるのか?』(小池伸介/扶桑社)

クマは都心に現れるのか?

小池 伸介東京農工大学大学院農学研究院教授小池 伸介1979年、名古屋市生まれ。東京農工大学大学院農学研究院教授。東京農工大学大学院連合農学研究科修了。博士(農学)。専門は生態学。主な研究対象は、森林生態系における生物間相互作用、ツキノワグマの生物学など。現在は、東京都奥多摩、栃木県、群馬県の足尾・日光山地、神奈川県丹沢山地などにおいてツキノワグマの生態や森林での生き物同士の関係を研究している。著書に『クマが樹に登ると』(東海大学出版部)、『わたしのクマ研究』(さ・え・ら書房)、『ツキノワグマのすべて』(文一総合出版)、『ある日、森の中でクマさんのウンコに出会ったら』(辰巳出版)、『タネまく動物』(編著、文一総合出版)など。2024年よりNGO日本クマネットワークの代表も務める。→記事一覧へ
配信元: マイナビ子育て

提供元

プロフィール画像

マイナビ子育て

育児をしている共働き夫婦のためのメディア「マイナビ子育て」。「夫婦一緒に子育て」をコンセプトに、妊娠中から出産・産後・育休・保活・職場復帰、育児と仕事や家事の両立など、この時代ならではの不安や悩みに対して役立つ情報をお届けしています。