訪問介護サービスを受ける際の注意点

訪問介護サービスを受ける際は、利用回数や時間帯、できること・できないことをあらかじめ確認し、ケアプランと契約内容をよく理解したうえで疑問点を事前に相談しておくことが大切です。
医療行為は対応できない
訪問介護サービスでは、ホームヘルパーが行える支援の範囲が法律や制度によって明確に定められており、多くの医療行為には対応できません。医師や看護師しか行えない処置(注射、点滴、インスリン注射の単独実施、褥瘡処置、カテーテルの挿入・交換など)は、訪問介護では実施せず、訪問看護や医療機関の役割です。また、内服薬の管理も、ホームヘルパーが行えるのは基本的に服薬の声かけ、シートからの薬の取り出しの介助などに限られ、どの薬をいつ何錠飲むかを判断したり、医師の指示なく量やタイミングを変更したりはできません。
このため、持病があり医療的ケアが必要な場合は、訪問介護だけでなく、訪問看護や主治医と連携した支援体制を整えることが重要です。利用前には、訪問介護でできること・できないことを事業所やケアマネジャーに具体的に確認しておくと安心感が高まります。
参照:
『訪問介護員の医行為について』(東京都中野区)
『原則として医行為ではない行為 に関するガイドライン』(厚生労働省)
家族の洗濯や食事の準備はできない
訪問介護では、サービスの対象となるのはあくまで利用者本人であり、同居家族の日常家事の代行はできません。なので、家族のためだけの洗濯や食事の準備は、原則として訪問介護の生活援助の範囲外とされています。例えば、家族が着用した衣類のみをまとめて洗濯したり、家族全員分の夕食を作ったりすることを主目的としての依頼はできません。
一方で、利用者本人の洗濯物と一緒にご家族の衣類が少量混ざってしまう程度や、利用者と家族が同じ鍋料理を取り分けて食べるなど、利用者の食事準備の延長としてごく付随的に家族にも結果として提供される場合は、例外的に認められるケースもあります。この線引きは事業所や自治体の運用によっても異なるため、どこまでが利用者本人の援助として認められるかは、あらかじめケアマネジャーや訪問介護事業所と具体的に確認しておくことが大切です。
参照:『「同居家族がいる方への訪問介護(生活援助)」の提供について』(名古屋市健康福祉局高齢福祉部介護保険課長)
まとめ

「訪問介護」が介護保険制度で定められた在宅介護サービスの名称であり、「ホームヘルパー」はそのサービスを提供する介護職員の呼び方です。制度上はサービスと職種の別の概念ですが、現場では訪問介護(ヘルパーを頼む)などと混在して使われ、混同されやすいのが実情です。両者の違いを押さえておくことで、ケアマネジャーとの相談や事業所選びの際に、自分や家族に必要な支援をより適切に検討しやすいです。
参考文献
『介護保険制度の概要』(厚生労働省)
『介護サービスコード・名称一覧』(医療介護情報局)
『訪問介護員/ホームヘルパー – 職業詳細 | 職業情報提供サイト(job tag)』(厚生労働省)
『各介護サービスについて』(厚生労働省)
『第八条 この法律において「居宅サービス」とは、訪問介護』(独立行政法人福祉医療機構)
『訪問介護とは』 (健康長寿ネット)
『訪問型サービス(第1号訪問介護)とは 』(健康長寿ネット)
『ホームヘルパー(訪問介護員)』(東京都品川区)
『訪問介護員・ホームヘルパー(介護職員初任者研修修了者)』(独立行政法人福祉医療機構)
『介護予防・日常生活支援総合事業の 基本的な考え方』(厚生労働省)
『サービス利用までの流れ | 介護保険の解説 | 介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」』(厚生労働省)
『訪問介護員の医行為について』(東京都中野区)
『原則として医行為ではない行為 に関するガイドライン』(厚生労働省)
『「同居家族がいる方への訪問介護(生活援助)」の提供について』(名古屋市健康福祉局高齢福祉部介護保険課長)

