春は外房大原沖のヒラメ釣りが最もヒートアップする季節。
わんさか回遊してくるイワシを追いかけて、水深10~15m、ときに5m前後の浅場にまででっかいヒラメが突っ込んでくるからだ。
大原港・富久丸に乗り込んだ取材日もイワシを探しながら港周辺の浅場を転々と移動し、2kg級を筆頭に船中10枚を超えた。
とはいえ筋金入りのヒラメファンの目的は4~5kgを超える春の大判、当地のヒラメ船が閉幕するGWまで足繁く通う日々が続く。
エサ付けの手がかかじむ寒さから解放されて、ぽかぽか陽気の中で過ごすヒラメ釣りは本当に心地がいい。
冬ごもりしていた仲間を誘って出かけるにもおすすめの季節だ。

▲快適な大型船。釣り座は抽選制
強い冬型の気圧配置にジリジリさせられっぱなしだったが、2月終盤の連休以降にようやく「穏やかな晴れ」の予報が出た。
ちょうどそのとき耳に入ってきたのが、外房大原・富久丸の情報だ。極寒日が続いた中でもヒラメがポツポツ釣れていて、5kg超の大ビラメも上がっている。
そこで2月25日の火曜日、期待しながら大原港へ向かった。

▲イワシをたっぷり食べている個体は肉厚だ
本日は徹底して浅場狙い
午前5時、富久丸のヒラメ船に13名が集合(3月から4時30分集合)。
「ここ何日かは浅場のほうがよく釣れています。一昨日の5kg超えの大ビラメも浅場で釣れているので、今日はそちらを集中的にやってみます」
そう話してくれたのは若船長の滝口健太さん。
ポイントは港のすぐ前だという。
5時過ぎに港を出てナギの海を15分ほど走ったところでエンジンがスローになり、エサの生きイワシが配られる。
サイズをチェックすると16~18cmのほどよい中羽だ。
「まもなく始めます。エサを付けて準備してください」
6時に開始のアナウンス。
「水深15m。タックルがノーマルの人はオモリ80号、ライトは40号。根がきついのでオモリが着いたら底から離して釣ってください。それと、アタリがあったらすぐに合わせてください」
風は北からそよそよ、船は横流し。
最初は左舷が進行方向だ。
私は仕掛けを下ろさずに様子を眺めていると、開始から5分もたたないうちに左舷大ドモ氏にヒットした。
水深が浅いのと比較的小ぶりな魚だったため、あっと言う間にタモに収まったのが本命のヒラメ。
氏に話を伺うとタックルはライト、竿先に異変を感じたのでさほど間を置かずに合わせたところ乗ったとか。
700~800g級ながら幸先のいいスタートだ。
やがて朝日が差して暖かさを感じ始めた6時15分、同じくライトタックルの左舷ミヨシ3番氏にヒット。
1kg超のまずまずのヒラメが取り込まれた。
開始から15分で2枚なら申し分ないと思っていたら、さらにその10分後には左舷胴の間でソゲが上がる。
トントントンとこれで3枚だ。
しかしながらその後はしばしアタリなく、船長から移動のアナウンス。
指示にしたがい皆さん仕掛けを回収……も、よく見ると左舷大ドモ氏がヤリトリしているではないか。
駆けつけると後検量1.5kgのヒラメがタモに収まった。
「合図で巻き始めたら、あれ根掛かり……と思ったら引き始めましたよ」
この1枚ですぐ再開のアナウンスがあったものの、後続はなく移動となる。
その移動中に仲乗り役の大船長・滝口義和さんが、熱アツの缶コーヒーやお茶を皆さんにプレゼント。
朝が冷え込んだだけに暖を取れる飲み物サービスはありがたかった。
次の流しは右舷が進行方向となるもヒットはなく、舷を交互に変えながらの2流し目、3流し目もアタリなし。

▲横流しで浅場の広範囲を探る
知っ得!船長に聞く「即合わせ」の利点
「合わせについてよくヒラメ40なんて言います。でも、エサのサイズが適していればそんなに待つ必要はないと考えていて、むしろアタったら即合わせでもいいと思ってます。アタったあと待ち続けているとエサを吐き出されることも多いので、合わせどきに悩んでいる人は試してみてください。気を付けたいのは合わせの幅。リールを巻きつつ竿先を下げて海面に、そこからスッと上げて目の高さくらいで一旦停止。その位置で乗っていればリールを巻き始めてください。もし合わせてスッポ抜けたらすぐに竿先を下げてイワシを落とし込む。すると再びエサを食うことも多いです。参考にしてみてください」

