ステージ4=末期なの?メディカルドック監修医が、末期がんの定義や治療の進歩による予後の改善、ステージ4からでも治癒を目指せる可能性について詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「直腸がんの末期症状」はご存知ですか?ステージ4=末期ではない理由も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
ステージ4期=末期がんではない?
ステージ4期の大腸がんおよび直腸がんは、しばしば末期とみなされることがありますが、すべてのケースで末期と定義されるわけではありません。
厚生労働省の定義によると、末期がんは治療に反応せず、進行性かつ治癒困難、または治癒不要の状態とされ、必ずしもステージとは直接関連しない場合もあります。
ステージ4は、がんがさまざまな臓器にも転移している状態を指しますが、治療の進歩により、生存期間が延びる可能性もあります。
大腸がんは化学療法に反応がよいものもあり、肝転移があっても予後改善が見込める場合は、手術検討となる可能性があります。
また、大腸がんのステージ4の患者さんの生存率は統計によるもので、2014年のデータによると5年相対生存率は約18.6%とされています。これは、ほかの病気による死亡を除いた数値です。
これらの数値は個々の患者さんの予後を正確に予測するものではないため、ガイドラインとして参照しましょう。
治療の選択やがんの進行状態により、個々の状況は異なります。
直腸がんについてよくある質問
ここまで直腸がんやステージ分類などを紹介しました。ここでは「直腸がんの末期」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
直腸がんが進行している場合、どのような治療法となりますか?
中路 幸之助 医師
進行した直腸がんの治療はがんの広がりと患者さんの健康状態に応じて異なり、主に化学療法、放射線治療、手術が用いられます。
化学療法では複数の薬剤を組み合わせてがん細胞の増殖を抑制し、痛みやほかの症状の軽減を目指します。
放射線療法には主に、「補助放射線治療」と「緩和的放射線治療」があります。
補助放射線治療は切除が可能な直腸がんが対象であり、主に、直腸がんの骨盤内の再発を抑える目的で行われます。
緩和的放射線治療は、骨盤内の腫瘍による痛みや吐き気、嘔吐、めまいなどのがんの再発や転移による症状を和らげることを目的として行われます。
手術はがん組織の除去が目的ですが、転移が広範囲に及ぶ場合は症状緩和を目的とした手術が選択されることがあります。
直腸がんになった場合、人工肛門(ストーマ)になりますか?
中路 幸之助 医師
直腸がんの治療での人工肛門(ストーマ)の必要性は、がんの位置や進行度によって異なります。
がんが直腸の下部に位置する場合や、手術で肛門の機能を維持できないと判断された場合には、人工肛門の設置が選択されることがあります。
これは、正常な排便機能を代替するために必要な措置です。
一方で、がんが肛門から離れた部位にある場合や自律神経を温存できる状況では、肛門を残せる可能性があります。
最終的には、患者さんの具体的な状況と医師の評価に基づいて、適切な手術方法が選択されます。

