スキルス胃がんは、食欲不振・体重減少・上腹部痛・嘔気などの症状に気付くことが重要です。
また「原因は何だろうか」「検査方法にはどのようなものがあるのだろうか」など、スキルス胃がんに対する疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事ではスキルス胃がんの検査法について解説しています。
※この記事はメディカルドックにて『「スキルス胃がんの原因」はご存知ですか?症状や検査法も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
スキルス胃がんの検査方法
スキルス胃がんの検査方法には次の5つの方法があります。
CT検査
MRI検査
バリウム検査
上部消化管内視鏡検査
腹部エコー検査
以下でそれぞれについて詳しくみていきましょう。
CT検査
CT検査はがんへの血液の流れを観察するために行います。血管内に造影剤を投与することで、複数の画像を撮影する方法です。
胃がんの有無を確認するだけでなく、遠隔転移の有無を調べる際にもこの検査は行われます。
検査前の造影剤の注入時には、一時的に熱感が現れます。
また造影剤を使用するため、検査をする数時間前から食事を摂ることはできません。
造影剤の副作用としては、吐き気・かゆみ・くしゃみ・発疹・血圧低下・呼吸低下などが挙げられます。
造影剤によって副作用が出た方・喘息・アレルギーが出た方などは、検査を受ける前に医師に伝えることが大切です。
MRI検査
MRI検査は磁気共鳴画像検査であり、がんの有無・がんの大きさ・浸潤を調べるための検査です。
MRI検査は強力な磁石と電波を利用した検査であり、磁場が発生するトンネル状の装置の中に入ることで検査を受けられます。
強力な磁石と電波を使用するため、ペースメーカーなどの金属類が体内に入っている方は注意が必要です。
またMRI検査におけるトンネル状の装置は、狭くて圧迫感があるため、閉所恐怖症の方には受けることが難しい場合があります。
検査を受ける前に自分の状態を医師と相談するようにしましょう。
バリウム検査
バリウム検査は、胃や食道の内部を詳しく観察するための検査方法です。
バリウムと呼ばれる特殊な液体を摂取し、内部の組織や器官をより明瞭に観察する検査です。
バリウムを摂取した後、X線装置を使用することで、バリウムが胃や食道内に広がった状態での様子を観察できます。
この検査で分かることは、スキルス胃がんの存在・形状・大きさ・位置・他の組織や器官に広がっているかどうかなどです。
バリウムの摂取により、一時的な不快感・腹部の膨満感・便の色の変化などの副作用が起こることがあります。
上部消化管内視鏡検査
上部消化管内視鏡検査とは、食道・胃・十二指腸を直接観察し、がんの有無・形状・位置を評価する検査です。
一般的には鼻や口から内視鏡を挿入し、内視鏡の映像をモニターに表示して医師が観察します。
上部消化管内視鏡検査では内視鏡の先端には照明やカメラがあり、胃壁に存在するがんを確認することができます。
また上部消化管内視鏡検査では必要に応じて生検も行われ、内視鏡を通じて組織のサンプルを取ることで、がんの細胞の病理検査による正確な診断が可能です。
上部消化管内視鏡検査の副作用として不快感や嘔気などが生じる可能性があります。
また内視鏡挿入中の合併症には出血・穿孔・感染などが挙げられます。
腹部エコー検査
腹部エコー検査はがんの位置・がんの形・大きさ・がん周辺の臓器との関係などを把握するために行います。
方法はエコープローブを体の表面に当て、返ってきた反射の状態を高周波音波を使って画像にするというものです。
ほとんどの場合は検査の数時間前から食事を摂ることはできませんが、骨盤内の臓器を見る場合は水分をとり排尿を我慢しておきます。
検査の仕方はベッドへ横になり、超音波が伝わりやすくするためにゼリーを塗って、超音波を当てるというものです。
検査自体に痛み・放射線はなく体の負担が少ないため、妊婦・高齢者でも安心して受けられます。
スキルス胃がんの早期発見のポイントについて
スキルス胃がんの早期発見は重要です。早期発見のポイントは4つあります。
1つ目は症状の変化に注意することです。胃がんの初期段階では症状がわずかですが、次のような症状がある場合は注意が必要です。
消化不良や胸焼けの頻度が増している
食欲の低下や食後の満腹感がある
体重の減少や貧血がみられる
吐血や黒色便が発生している
以上のような症状がみられる場合はスキルス胃がんの症状の可能性が高いため、病院の受診をおすすめします。
2つ目はスクリーニング検査の受診です。スキルス胃がんのスクリーニング検査としては、上部消化管内視鏡検査が一般的です。
各自治体等において、一定の年齢やリスク要因を持つ人々を対象にした胃がん検診等を実施している場合があるため、活用すると良いでしょう。
3つ目は病歴や家族歴の確認です。過去に胃がんの既往歴や家族に胃がんの病歴がある場合は、罹患リスクが高まるため、自身の病歴や家族歴を把握しましょう。
4つ目は喫煙や大量の塩分摂取を控えることです。
喫煙や大量の塩分摂取は胃がんのリスク要因とされているため、できる限り摂取を控えることが望ましいでしょう。

