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日本企業の伴走者として「人権意識変革」へ 蔵元左近弁護士が語る「ビジネスと人権」次のステージとは

日本企業の伴走者として「人権意識変革」へ 蔵元左近弁護士が語る「ビジネスと人権」次のステージとは

●予想は確信へ、そして次のステージへ

2014年に日弁連国際室の嘱託になり、海外の法曹団体と交流すると「ビジネスと人権」は海外で既に中心的な話題となっていた。2015年秋、ウィーンで開かれたIBA(国際法曹団体)の年次大会では、国連のビジネスと人権指導原則の策定(2011年)に携わったハーバード大のジョン・ラギー教授と、コフィ・アナン元国連事務総長の対談に、欧米のビジネス系弁護士が詰めかけていた。「各国の巨大事務所の若手弁護士が集まるほどのイシューなのだ。自分の予想は間違っていなかった」。確信を得て、自身が日本企業に対して発信を行う責務すら感じたのだという。

日本で「ビジネスと人権」の第一人者となった今、次のステージを見据えている。人権デューディリジェンス(DD)や環境DDなどを本格的に支援する企業体を新たに立ち上げることだ。非営利組織ではなく営利組織とするのは、海外の現地調査などを含め、持続的な収益性が不可欠だから。国際条約や国際基準、さらに国内法を横断的に分析し、実効的な対策を提示する際は、法の専門家である弁護士が中心的な役割を担うべきとも考えている。

銀行の経営陣に絶大な信頼を得ていた新人時代のボス・故小沢征行弁護士の教えは「クライアント企業の真の利益のためには、耳に痛いことも言う」だった。日本企業の真の利益のため、ビジネスか人権か、という二項対立ではなく、ビジネスも人権も。かつて抱いていた葛藤は、今はもう存在しない。

【プロフィール】
くらもと・さこん 日本国・米国NY州弁護士。M&Aやコンプライアンスを専門とし、「ビジネスと人権」等のサステナビリティ分野に注力している。東京オリパラ委員会「持続可能性に配慮した調達コード」通報受付窓口助言委員長等を歴任。近著に『12事業分野別 人権・環境デューディリジェンス実務ガイド』(現代人文社)

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