親友が「ミキ」になりすまし、アプリで達也に接触。わずか5分で返信をした夫は、「半年フリー」「連絡を取る時点で浮気」と言い放つ。優香はその滑稽なウソを記録していき…。
親友と夫がマッチング
「よし、じゃあメッセージ送ってみるね」
翌日、真奈美と作戦会議を開きました。
真奈美はアプリ上で「ミキ」という架空の人物になりきり、達也に接触を図ります。
「はじめまして!タツさんのやさしそうな雰囲気に惹かれました。私も一人暮らしで寂しくて……」
真奈美がたのしそうにキーボードをたたきます。
すると、わずか5分で返信が来ました。早すぎます。私への返信は1時間以上空くこともあるのに…。
「ミキさん、はじめまして!マッチングありがとうございます。写真、すごくきれいですね。ぼくもずっと一人だったので、ステキな方とつながれてうれしいです!」
つらつらとウソをならべる夫
スマホをのぞき込んでいた私は、思わず鼻で笑ってしまいました。
「"ずっと一人"だって。昨日、私が送ったエコー写真に、パパだよ〜って返信したのはだれよ」
「達也さん、演技派だね。どんどんボロを出させよう」
真奈美(ミキ)はさらにたたみ掛けます。
「お仕事お忙しいんですか?彼女さんとか、いらっしゃらないんですか?」
これに対する達也の答えは、私の理性を粉々に砕くものでした。
「彼女はいませんよ。もう半年くらいフリーかな。仕事ばかりの毎日だったので、そろそろ癒やしがほしいなと思って登録しました。ミキさんとゆっくりお話ししてみたいです」
(はあ?半年フリー?)
私たちは結婚して3年、一度も別れたことなんてありません。
「優香、これ見て。もうアウトをとおりこして場外ホームランだよ」
真奈美があきれたように言いました。私は冷徹な声で返しました。
「もっとしゃべらせて。彼の"浮気の定義"を聞き出してほしいの」
真奈美はうなずき、巧みに誘導します。
「実は、前の彼氏に浮気されちゃって…タツさんは、どこからが浮気だと思いますか?」

