幸せ絶頂のはずが、かなでは純一のスマホから衝撃の事実を知る。そこはマッチングアプリやナンパ用裏垢がひしめく伏魔殿だった。自分と会う直前まで他の女を物色し、卑猥な言葉を吐く彼の「裏の顔」に、かなでは絶望する。
妹からのSOS
幸せの絶頂にいたかなでから、一本の電話があったのは夜の11時を回ったころだった。 出た瞬間、聞こえてきたのは激しい嗚咽。
「お姉ちゃん……どうしよう……」
「かなで!?どうしたの、何かあった?」
私は慌てて実家に駆けつけた。リビングのソファで、かなでは真っ赤な目でスマホを握りしめていた。隣では母が困惑した表情で背中をさすっている。 話を聞くと、きっかけは些細なことだった。
ホテルデートのとき、一緒に動画を観ようとしたとき、彼が「適当に検索して」とスマホをかなでに手渡したのだという。 お互いにパスコードも教え合う「オープンな関係」だと信じていたかなでは、何の気なしにホーム画面をスワイプした。
妹の彼氏がとんでもない遊び人だと発覚
そこで見つけてしまったのが、あの火遊びアプリの代名詞とも言えるようなものだった。
「元々、遊び人だったっていうのは聞いてたの。でも、今は私だけだって……」
かなでが震える指で、アプリを開いた先の内容を教えてくれた。
そこは、伏魔殿だった。 純一は、かなでがバイトで会えない日を狙い澄まして、別の女の子を物色していた。 驚くべきは、かなでのバイト先へ「迎えに行く直前」まで、他の女と会う約束を取り付けていたことだ。
特に酷かったのは、ある女性とのやり取り。 相手の女性が「今日、生理になっちゃったから飲みに行くの厳しいかも」と送ると、純一の返信はこうだ。
『残念。やれないね。じゃあ一週間後くらいなら大丈夫?』
「やれないね、って……。私の前では『かなでの笑顔が一番の癒やしだよ』なんて言ってたのに。目的はそれだけだったの?」
かなでの声が怒りで震える。

