肝臓がんについてよくある質問
ここまで肝臓がんについて紹介しました。ここでは「肝臓がん」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
肝臓がんによるかゆみはがんの進行度と関係がありますか?
かゆみの強さや出現には、肝臓がんそのものの大きさや進行度よりも、肝機能の低下の程度や胆汁うっ滞の程度が関係しています。がんが進行して肝臓の機能が悪化するほど黄疸やかゆみなどの症状が出やすくなります。
逆に、早期の肝臓がんでは自覚症状がほとんどなく、かゆみが現れることはまれです。したがって、かゆみが出てきた=肝臓がんが進行したと単純に結び付けることはできませんが、全身のかゆみは肝臓の状態の悪化を示す一兆候であるため、担当医に症状を伝えて適切な対応をしてもらいましょう。
肝臓がんによるかゆみの治療は何科を受診すればよいですか?
肝臓がんによるかゆみ症状の治療は、肝臓の病気を専門とする肝臓内科や消化器内科で受けるのが適切です。肝臓がんで通院中であれば、まずは主治医にかゆみの症状も伝えてください。かゆみは緩和ケアの一環として治療可能な症状ですので、決して我慢する必要はありません。担当医は、症状に応じて適切な内服薬の処方や皮膚科との連携を含めた対策を考えてくださるでしょう。
なお、皮膚に湿疹やじんましんを伴っている場合には皮膚科の診察も有用ですが、肝臓がんに起因するかゆみ自体の治療は肝臓内科・消化器内科で行うのが一般的です。
肝臓がんによるかゆみとそれ以外の病気によるかゆみはどのように区別するのですか?
まず、皮膚の見た目に注目します。肝臓がんなど肝臓の病気によるかゆみは、皮膚に発疹や湿疹など目に見える異常がないのに全身がかゆくなる点が特徴です。肝臓がんによるかゆみでは皮膚症状がないため、見た目は普通なのに痒いという場合は、肝臓など内部の原因が疑われます。
また、肝臓が原因でかゆみが生じている場合、しばしば黄疸や濃い尿・白っぽい便といったほかの肝機能低下の症状を伴います。総じて、皮膚の状態(発疹の有無)と肝臓の状態(黄疸の有無や血液検査結果)を総合することで、肝臓がんによるかゆみかどうかを判断します。
まとめ

肝臓がんで生じる皮膚のかゆみは、黄疸に伴う胆汁成分の蓄積など肝臓の機能低下による症状の一つです。全身に及ぶ強いかゆみは患者さんのQOLを著しく低下させるため、適切な治療やケアによって和らげることが大切です。
本記事で述べたように、肝臓がんのかゆみは皮膚トラブル由来のかゆみとは原因が異なるため一般的な市販薬だけでは十分に改善しないこともあります。しかし、内服薬による治療やスキンケアの工夫によって多くの場合症状の軽減が可能です。つらいかゆみがあるときは一人で悩まず、遠慮なく主治医に相談してみましょう。医師と協力しながら対策を講じることで、かゆみ症状をコントロールし、日常生活の負担を減らすことができます。

