骨肉腫の代表的な症状とは?メディカルドック監修医が、膝や肩に現れる痛みや腫れ、しこり、関節の可動制限のほか、初期に見逃されやすい特徴について詳しく解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「骨肉腫」の「痛み」はどれくらい?初期症状や進行した場合も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
永井 恒志(医師)
平成15年金沢医科大学医学部卒。東京大学医学部附属病院内科研修医を経て東京大学大学院医学系研究科教官時代に大型放射光施設SPring8を利用した多施設共同研究(国立循環器病研究センター、東海大学ほか8研究機関)をリードし、多数の国際医学雑誌に論文を発表した。
特に免疫細胞であるM1マクロファージの画期的な機能の一端を解明した。現在は腫瘍免疫学の理論に基づきがんの根絶を目指してがん免疫療法の開発と臨床応用を手掛けている。
骨肉腫とは?
骨肉腫とは、骨に発生する悪性腫瘍で骨自体から発生する原発性悪性骨腫瘍のなかでは発生頻度が高くなっています。
10歳代の思春期に発生する確率が高いのが特徴です。思春期に発症しやすい病気ですが、骨肉腫全体の発症件数は少なく稀な病気です。
骨肉腫の腫瘍は、膝の大腿骨と脛骨の膝関節に多く発生し、上腕骨の肩や大腿骨の股関節などにも発生します。腫瘍が大きくなると骨を破壊し、腫瘍自体が骨を作り出してしまいます。
また、肺に転移する可能性があるため早めの発見がとても重要です。
骨肉腫の症状
骨肉腫の主な症状は以下の4つです。
しこり
発生部位の腫れや痛み
足を引きずる
関節の動きの制限
初期に自覚する症状は痛みや腫れがほとんどで、運動前後や突如痛みが出るなど不規則に症状が現れます。
痛みが長く続く場合は、決して無理はせず整形外科や小児科で相談してみましょう。
初期は症状が出ないこともある
骨肉腫の主な症状に痛みがありますが、初期の頃には痛みが出ないケースも少なくありません。レントゲン検査にて骨に異常が見つかる頃に、痛みが出てくる場合があります。
また、初期に痛みを感じても運動時に痛みを生じる場合が少なくないため、筋肉痛と勘違いしやすく見過ごされやすいため注意が必要です。
また成長期の発症が少なくないため、成長痛と間違われる場合もあります。長引く痛みがある場合は整形外科や小児科で相談しましょう。
痛み
骨肉腫は大腿骨と脛骨での発生頻度が高いため、6割程は膝関節の周辺で痛みが生じます。また、上腕骨にも発生するため肩周辺でも痛みが生じます。
膝関節程頻度は高くありませんが、大腿骨のある股関節付近や骨が成長する部分の骨端線付近でも痛みが生じる可能性があり注意が必要です。
腫れ
腫れも骨肉腫の典型的な症状です。骨盤や背骨に腫瘍がある場合は身体のなかで腫れるため、見た目だけではわかりにくく、腫瘍が大きくなってから発見される場合があります。
骨の外まで腫瘍が大きくなってくると、見た目で明らかに腫れているとわかるようになります。
関節の動きの制限
骨肉腫は膝関節や股関節周辺に発症し、動かすと痛みや腫れがでてしまいます。関節を伸ばしたり曲げたりする際に痛みが出てしまい、思いっきり動かせなくなってしまいます。
関節に痛みが出て曲げ伸ばしが難しい場合は、骨肉腫の疑いがあるので早めに整形外科や小児科にて相談してみましょう。
熱感
骨肉腫は腫瘍がある部分の上部の皮膚に熱を持つ場合があります。痛みや腫れに加え、熱を持っているかの判断も骨肉腫の診断には大切な判断材料です。
長く続く痛みや腫れがあり、さわってみて熱感があるようでしたら、早めに整形外科や小児科にて相談しましょう。
発赤
発赤も骨肉腫の症状のひとつです。熱感と同じように、腫瘍がある部分の上部の皮膚に赤みが発生する場合があります。
骨肉腫すべてに発赤するわけではありませんが、診断には大切な判断材料です。
長く続く痛みや腫れがあり、発赤の症状があれば早めに整形外科や小児科にて相談しましょう。
骨折
骨肉腫ではあまり症例は多くありませんが、腫瘍が発生した場所の骨が骨折してしまう場合があります。
腫瘍ができると骨がもろくなってしまうため、転倒をしたりつまずいたりと、軽い力が加わっただけでも骨折をしてしまうので注意が必要です。
骨折の診断をしたときに、骨肉腫だと気がつく場合があります。
全身症状
骨肉腫は、骨自体から発生する原発性骨腫瘍のうちのひとつです。
また、肺がんや乳がんなどのほかのがんから骨への転移で発生する腫瘍に、転移性骨腫瘍があります。転移性骨腫瘍の方が、原発性骨腫瘍よりも発生頻度は高いです。
原発性骨腫瘍は、膝や股関節や肩などに多く発症しますが、転移性骨腫瘍は脊髄に多く発生しています。
骨肉腫では悪性度が高く、肺に転移する可能性があるため早期発見や早期治療がとても大切です。

