「今年はエイプリルフールやりません」。4月1日を翌日に控えた3月31日、熊本市中央区に本社を置く熊本タクシーが公式Xでこのように宣言した。炎上リスクを理由に「基本的にやらない方向」と明言したこのポストは4月1日午前10時時点で260万表示を超え、Xには「いいと思います」「むしろ信頼度が上がる」といった賛同の声が広がった。
同社はXで、「昨今、企業のエイプリルフールネタはもはや楽しんでもらう以上に炎上するリスクの方が高くなってます」と指摘。「安全運転が第一のタクシー会社としてはリスクマネジメントの一環」と説明した。さらに同日夜には「あくまでも弊社アカウントは、皆様に笑って楽しんでもらって、そこで自社を知って頂きたいという願いで運用しております」と理解を求めた。
一昨年から“撤退“の流れ?
熊本タクシーはこれまで他の企業同様、4月1日にエイプリルフールネタを投稿してきた。2021年はタクシーの出庫の様子を競馬になぞらえてレースの写真を投稿。22年には乗務員兼車両がアルパカになるという画像ネタを展開し、毛が刈り込まれたアルパカを「夏場に向けて、車両の軽量化に成功しました」という投稿で話題を集めた。
しかし24年には「新年度切り替えによる新法律関係により、今年のエイプリルフールは、それどころじゃない」と投稿。昨年は前日に「ちょっと業務優先させて下さい!!」と宣言し、「いやもう冗談抜きで!!ちょっと年度明けからというか、今もわたわたわたわたしてるくらいで」と明かしていた。
この表明に対し、Xには
「近年のエイプリルフールネタ、マジで何が面白いのかわからんので英断だと思う」
「これはこれで素晴らしい対応」
「良いと思う なんか4月1日に無理してウソをひねり出そうとするくらいなら、新年度1日目としてスタートする方がよっぽど良いよね」
「エイプリルネタって企業も個人も含めほとんど面白くないしね やらない方がいいと思う」
と支持する反応が続出。なかには
「エイプリルフールにイキッてスベり倒したり、炎上してる企業は見習ってほしい。世の中はクソのような冗談を放つ企業アカウントを許さない。面白くない上に不愉快」
と、他の企業に中止を呼びかける人もいた。
「楽しませようと試みたことで炎上なんて」
一方で、本気の自粛宣言に対し
「これは壮大なネタ仕込み…」
「なに先バレのネタを言っているのか、エイプリルフールには一日早いですよ」
「このポストをエイプリルフールに投稿して嘘でしたってやってほしい」
と“前フリ”と受け取る反応も目立った。
また、
「楽しませようと試みたことで炎上なんて、一番つまらない結末ですからね。その選択も仕方のない事だと思います。」
「残念ですが、これも会社のため。現代を生き抜くためには仕方ないですね!ポストしてくださり、ありがとうございます!」
「こういう風にわざわざ言わなきゃならない社会の風潮がね…」
「エイプリルフールはもう無くなっていいと思う。本当のアナウンスが埋もれるしね」
と、企業としてのリスクマネジメントに理解を示したり、SNS社会の現状を指摘する声も寄せられた。
近年、企業公式アカウントによるエイプリルフールネタが炎上に発展するケースは珍しくなくなっている。熊本タクシーが「安全運転が第一」という本業の価値観と結びつけて自粛の理由を説明した点も好感を呼んだ一因とも言える。

