現在放送中のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」で、女優の吉岡里帆演じる慶が抜群の存在感で物語に深みを加えている。慶は、元は美濃の斎藤家家臣で、現在は織田信長(小栗旬)に仕えている安藤守就(田中哲司)の娘。信長の命令で織田家に仕える木下小一郎長秀(仲野太賀)のもとに嫁ぎ、激動の時代を生き抜きながら、やがて兄嫁の寧々(浜辺美波)とともに豊臣兄弟を支える存在となる。秀長が大和国の統治を任されると、ともに大和郡山城に入り、夫の晩年まで連れ添う。第13回「疑惑の花嫁」(4月12日放送)では、織田軍が斎藤軍を撃破した稲葉山の戦いで慶の前夫が討ち死していたことがわかった。その原因を作った小一郎を憎み、心を閉ざす慶には、金で男を買いあさっているとの悪い噂がある。小一郎は、見知らぬ男と逢引する妻の姿を目撃してしまい、新婚早々、2人の間に不穏な空気が流れている。吉岡は、慶と小一郎との関係について、「戦で最愛の人を失った同じ痛みを抱える二人は出会うべくして出会ったのではないか」と述べ、「必然的に夫婦となっていく過程を、時間をかけて丁寧に紡いでいきたい」と力を込める。
「豊臣兄弟!」とは?
天下人となる秀吉を補佐役として支えた弟、秀長の目線で戦国時代をダイナミックに描く大河。連続テレビ小説「おちょやん」や、「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」(以上、TBS)などのヒット作で知られる八津弘幸さんが脚本を担当する。
吉岡里帆 コメント
――慶について
「第13回(4月5日放送)で明らかになりましたが、慶の夫は織田軍との戦で討ち死にしています。慶にとって織田は、いわば仇です。愛する夫を亡くした彼女は、弱さは決して見せない、誰とも心を通わせない、というかたくなな思いを抱えています。『心は、お前たち織田のものには指一本触れさせぬ』というセリフは、演じる上で特に強く意識した部分ですが、やはり苦しくもなりました。
いまの慶は、小一郎(仲野太賀)のことをまったく信頼していません。ただ、二人はそれぞれ戦で最愛の人を失ったという、同じ痛みを抱えています。そう考えると、この二人は出会うべくして出会ったのではないかと思います。必然的に夫婦となっていく過程を、時間をかけて丁寧に紡いでいきたい。そして(仲野)太賀さんと一緒に、夫婦としての太い絆をしっかりと築き上げていけたらと思います」
――豊臣兄弟を演じるお二人について
「太賀さんは、俳優としてはもちろん、一人の人間としても深いところで向き合ってくださる方だと感じています。この人のためならみこしを担ぎたいと思わせてくれる、主演として本当にすばらしい存在です。池松(壮亮)さんもまた、心から尊敬している俳優です。今回が初共演ですが、とてもナチュラルで柔らかく、自然とその場をリラックスさせる空気を持ち合わせていて、『大丈夫だよ』と背中を支えてもらっているような感覚になりますね。お二人のお芝居は、実際の仲の良さがそのまま表れているように思います。特に太賀さんは、池松さんとのお芝居がいちばん良い表情をしている気がして。お二人が演じる豊臣兄弟は応援したくなります」
――「豊臣兄弟!」の魅力とは
「慶が登場するまでの物語は、いち視聴者として楽しんでいました。それぞれのキャラクターが立っているからこそ、直(白石聖)が亡くなるシーンは本当に切なくて。もちろん結末は知っていたのですが、『どうにかならなかったのかな』と思ってしまうほどでした。豊臣兄弟はどちらも魅力的ですが、私は小一郎のような人が好きです。周りを一生懸命サポートしている小一郎を、しっかりと支えたいと思います。カリスマ性を持つ信長(小栗旬)とは、また違った魅力を持つ人物ですよね。慶自身は支える人を支える存在、いわば『影の影』のような人だと思っています。その影の、黒くて芯のある濃さを、より際立たせるようなお芝居ができたらと思います」

