
《流れ星》2026年 個展「記憶音」出品作品
日本画を中心に展開する銀座のナカジマアート開廊30周年の締めくくりとして、日本画家・村岡貴美男氏の個展を開催する。完全新作としては7年ぶり、ナカジマアートでは9回目となる個展だ。入場料は無料。
音と記憶をテーマにした村岡貴美男氏の個展が開催

《流れ星》2026年※イメージ写真
同展のタイトルは「記憶音(キオクオン)」。村岡氏は、ナカジマアートでの発表を常に新たな挑戦の場と位置づけ、日本画を基盤としながらも、多様な素材や技法を取り入れ平面表現にとどまらない作品世界を展開してきた。

《蝶とカノン》2026年 記憶音出品作品(扉の開閉ができる)
同展で同氏が選んだテーマは「音」と「記憶」。時間の経過とともに消えゆく音の存在、変容し続ける記憶の在り方を、日本画ならではの緻密な筆致によって、静けさの奥に潜む緊張と不安をにじませながら、画面に描きとどめる。

《天体観測》(部分)2026年 記憶音出品作品
日本画の枠組みを超え、卓越した技術と構想力によって生み出された作品群と、その中に施された静かに奏でられる繊細な音の仕掛け、また、作品展示にとどまらず作家自身が手がける展示空間の構成も大きな見どころだ。
海外でも注目される日本画家の村岡貴美男氏

画家・村岡貴美男氏と「記憶音」展示作品
村岡貴美男氏は1966年、京都府生まれ。東京藝術大学にて日本画を学び、日本美術院を拠点に活動。1997年の初入選以降、数々の賞を受賞し、2014年には日本美術院同人に推挙されるなど、現代日本画壇で注目を集める作家の一人だ。
同氏の作品は、現実をそのまま描くのではなく、独自の色彩と構成によって再構築される。空虚さを帯びた人物像や、古びたアンティーク、毒や棘をもつモチーフが組み合わされ、どこか不穏でありながらも美しい画面が立ち上がる。
それらは、観る者の記憶や感情を静かに揺さぶり、過去と現在が交錯するような感覚を生み出す。一枚の絵でありながら、複数の時間や物語を想起させる点も特徴だ。
2022年には、初の作品集『村岡貴美男作品集 秘儀荘』(赤々舎)を日本語版・中国語版で刊行。さらに今年、スペインのアートブック出版社 The Guide Artistsより画集『Kimio Muraoka』も刊行した。
また、ブルネイ王室からの依頼により、肖像画を手がけるなど、国外でも活動の場を広げている。
